【編集部注】Jake Brightはニューヨーク拠点のライター・作家。著書に「The Next Africa」(共著)がある。
Polestarは同社初の電気自動車(EV)を発表した。正面切ってTeslaに狙いをつけていて、ニューヨークでCEOが披露した。
ボルボ傘下のPolestarが発表したPolestar 1はプラグインハイブリッドEVだが、EVの購入を迷っている人を引きつけようと、ハイブリッドの要素は抑えめで完全EV(ガソリンはオプショナル)という位置付けだ。
15万5000ドルするこの車はー2019年に出荷が始まるー搭載する3つの電動モーターを2つの34kWhバッテリーパックとターボで動かし、スーパーチャージャー付きV4エンジンがフロント部分にくる(詳細はこちら)。
電気自動車としてのPolestar 1の航続距離は100マイル。同社によると、この数字ははハイブリッドとしては最長となる。
Polestar 1は600馬力と738ft-lbsトルクを備える。同社にとって初の製品で、2019年に完全EVのPolestar 2の公開を予定し、SUVのPolestar 3がその後に続く。
「Polestar 2はTesla社のModel 3と直接競合するだろう…」とCEOのThomas Ingenlathはお披露目ステージで語った。
IngenlathはTechCrunchに対し、今後はTeslaのマーケットシェアを奪うというより、EVへの転換を促すのに注力したいと述べた。
Ingenlathに言わせると、Polestar 1のアドバンテージは完全電気自動車に向けた入り口的な存在であることだ。「車には燃焼エンジンがなければ、と考えている人は多い」と彼は語る。「その一線を超えさせるのに、Polestar 1はかなりいい車だ。一度乗ってしまえば、電気自動車の素晴らしさに気づく」。
しかし、Polestarはガソリンと電気のコンボにこだわっているわけではない。
Ingenlathによると、Polestar 1は同社にとって最初で最後の電気とガソリンを組み合わせたハイブリッド車となる。「今後は電気自動車だ。ハイブリッド車を再びつくる気はない」とTechCrunchに語った。
ニューヨークでのPolestar 1公開では、同社は実際に販売する時のセールスとサービスについてかなりの時間を割いた。それによると、セールスとサービスにはアプリから実在店舗まで複数のチャネルがあり、いくつかの点ではボルボのディーラーネットワークの一部をレバレッジするが、他の点では完全に区別する。Ingenlathによると、Polestarは車を展示するのにディーラーを抱えたり、ボルボのディーラーを使ったりすることはないという。
車の購入体験はまず同社のアプリで始まる。その次に、米国、欧州、そして中国に展開されるる“Polestar Spaces”ネットワークが紹介され、購入者はそこで実物を見たり、テストしたりできる。車は購入者の自宅まで届けられ、修理サービスなどはアプリで予約でき、その際は自宅までピックアップに来てもらえるーただし、Polestarはサービスを行うのにボルボのディーラー(物理的スペースではない)を活用する。
「我々は年間10万台を生産するメーカーになる。この数字は必ずスケールアップするだろう」とIngenlathは語る。「我々はボルボのようになることを目指しているわけではない。ただし、収益をあげるためには必ずある程度のスケールが必要だ」。
Polestar 1は、北米のバイヤーから枠を超える200台のオーダーが入っている。
Polestarの本社はスウェーデンのヨーテボリにあるが、製造は中国・成都市で行う予定だ。
Polestarの初EVは、NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)の安全性レーティングで最高評価を獲得したTeslaの4万9000ドル〜6万4000ドルするModel 3や、Audiが発表した7万4800ドルの電気自動車e-tron SUV(こちらのTechCrunch記事で紹介)と並ぶものとなる。
EV Volumesによると、米国の電気自動車マーケットにおいてはTeslaがメーカー別、モデル別ともに圧倒的なシェアを占めていて、Model 3で今後さらにリードを広げることが予想されている。
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(翻訳:Mizoguchi)