新しいユニコーン企業であるQuoraは、テキストによるQ&Aよりも、さらに大きな野心を持っている。そして、ビデオ大手や他のスタートアップがその未来を邪魔することは難しそうだ。
今週Quoraはビデオアンサーのテストを開始した。なぜなら何かがどのように働くかを説明したり、あるタスクを行なう手順を示したり、あるいはあるものが他のものより優れている理由を述べる際に、テキストで説明するよりもビデオを利用する方が遥かに簡単なことがあるからだ。ベータグループのユーザーは、Quoraのユーザーたちが見ることのできる、補足的あるいは完全な回答ビデオを、iOSもしくはAndroidを使って撮影することができる。ビデオをアップロードすることで、より洗練されたコンテンツが提供されることになるが、スパムが増える懸念もある。
これまでQuoraは、ユーザーたちに、テキスト、自らのサイトにアップロードされた写真、リンク、そしてYouTubeのようなプラットフォームからの埋め込みビデオだけを用いた回答を行なわせてきた。それが今は、積極的にビデオのアップロードを受け入れ、投稿を奨励しようとしている。
このビデオ機能と評価システムを組み合わせることで、Quoraは現在YouTubeの上でホストされている、ハウツービデオコンテンツをある程度奪うことができるだろう。YouTube上ではSEOと人気度合いによって、Q&Aの精度が犠牲になる可能性がある。Quoraのビデオ回答は、どれだけ共有され宣伝されたかではなく、コミュニティの中でどれだけ有用であるかの指標を用いて並べられる。
「私たちの使命は、世界の知識を共有して成長させることです。そして知識は、単に書かれているだけでなく、多くの形式で表現されます」こうTechCrunchに語るのは、Quoraのモバイル責任者Tommy MacWilliamだ。「テキストによる回答と同様に、人々はビデオ形式の回答に対して、質問への回答という観点から、プラス評価をしたりマイナス評価をしたりすることができます」。
一方Quoraがこの領域にやってくることで、Justin Kan’s mobile video Q&A app WhaleやAsk Me Anything app Yamのような、より若い競合相手は大きな困難に立ち向かうことになるだろう。こうしたアプリは質問対するビデオアンサーの記録を簡単にすることに焦点を当てていて(回答者をよく見せるためのフィルタ機能なども提供されている)、どちらのアプリも回答者にお金を稼ぐ手段を提供している。
しかしQuoraの1億9000万人のユーザー、2億22600万ドルの資金、8年間の先行者としての経験は大いなる強みだ。前身であるYahoo Answersとは対照的に品質を重視したブランディングを行いながら、慎重に専門家とコンテンツのネットワークを管理して来ている。このネットワークを打ち破るのは難しいかもしれない。
ビデオは、Quoraは本気のマネタイズをどのように始めるのか、という問いかけに対する回答かもしれない。この話題に関しては同社は少々口が重い。MacWilliamは「ベータプログラムを通して、私たちはビデオが回答者と視聴者の双方にどのようにフィットするかを学んでいる最中です。ともあれ今は素晴らしいプロダクトを作り上げることに専念しています」と語った。
Quoraのマネタイズの歩みは遅く、その最初のスポンサードクエスチョン広告フォーマットは非常に微妙で控えめだ。しかし、もしQuoraがビデオアンサーの後に動画広告を入れるようにするなら、視聴者の学習体験を損なうことなく、対象テーマに関心の高い層に、効果的に広告を届けることができるようになるだろう。
どのような種類のアプリであろうとも、モバイル上の全ては現在ビデオを用いて再定義されつつある。問題は、古いアプリたちが時代に乗っていくのか、それとも後に取り残されるのかということだ。
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(翻訳:Sako)