Q&AサイトのQuoraは新機能「ライティング・セッション」で荒れないAMAを目指す

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Redditの「Ask Me Anythings(何でも聞いて)」のセッションでは、思慮深い回答を得ることは難しかった。回答は短く、場を荒らす人も多く、セッションの議題に興味がある人でもAMAが行われていることを後になって知るということが良くあった。

そこで本日Quora は、クラウドソースで質問を募って回答するセッションをより統制の取れたものにするため「 Writing Sessions(ライティング・セッション)」をローンチした。これにより、このスタートアップの洗練した知的な雰囲気を壊さずに、ユーザーから質問を引き出し、直ぐに回答する緊張感をQuoraに足すことができる。また、Quoraはアクティブユーザー数などを開示しない秘密主義で知られているが、この新機能でセッションで回答するセレブのファンもQuoraに惹きつけることができるかもしれない。

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QuoraのAMA

「ライティング・セッション」は次のように機能する。QuoraのQ&Aのアプリで知識人のセッション時間を発表し、その人と関連した題材をフォローするユーザーに通知する。ユーザーは1日か2日の間、回答者に聞きたい質問を投稿することができる。コミュニティーは良い質問には賛成票(フォロー)、悪い質問には反対票を投じることができる。また、ジョークや個人攻撃、他の悪質行為は編集で除かれる。Redditと違うのはそこだ。RedditのAMAのセッションでは、無法でまとまりのない質問が多く流れこんでいた。

またこれによりライティング・セッションの回答者は、質問を閲覧し、より的確な回答を書くための時間の余裕ができる。その回答と1時間のライティング・セッションの場で答えた内容はQuoraの質問ページの一つの定常コンテンツとして公開される。

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アメリカ上院議員で外交の専門家であるTim Kaineがライティング・セッションの最初の回答者だ。 その後のライティング・セッションではFacebookのCOOのSheryl Sandbergや投資家のVinod Khosla、Planned ParenthoodのプレジデントのCecile Richardsらが登場する予定だ。

QuoraでFacebook、SNS、Lean In、フェミニズムをフォローするユーザーはSandbergのセッションに向けた質問の投稿を促す通知を見ることになるかもしれない。この機能がどのようなものかを早く知りたいのなら、今日の午後からQuoraのプロダクトリードを務めるAbhinav Sharmaがライティング・セッションを開催し、機能のプレビューを行う予定で、現在それに向けた質問を募っている

質問への即答と定常コンテンツ化

Quoraの統制の効いたAMAは、より多くの優れた回答者を惹きつけることにつながるかもしれない。先日、バラク・オバマ大統領はイランの核問題について3つの質問に回答し、それのビュー数は累計150万に登った。しかし一方でRedditで開催した、Jesse JacksonのAMAセッションには荒らす者が多く集まり問題となった。Redditは AMAのコーディネーターを解雇する事態となり、ユーザーの反感を買った。

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Quoraは近年目立った行動を取っていなかった。新たな流れを捉えられる方法を模索する間、息を潜めていた。知的だが分量の長いこのナレッジベースは、活気に満ち、突発的なことが起きるモバイルの環境とはしっくりこない。また、彼らが2013年にローンチしたブログプラットフォームは、Mediumの影に隠れてしまっていた。

幸運なことに、昨年、Tiger Globalが牽引したシリーズCでは8000万ドルの大型調達を達成した。これによりQuoraは利益ではなく品質に集中し、独立した組織でいることを可能とする資金を手に入れた。業界の専門家で自身の知見を伝えるのに十分なブログやTwitterのオーディエンスがまだないのなら、Quoraは彼らに演説台を提供できると主張している。

ユーザーグロースの数値は開示しなかったものの、Quoraは1000名以上のライターを抱え、年間100万ビューがあると伝えた。回答者の数は昨年の3倍になったという。ライティング・セッションを著名な政治家が有権者に主張を訴える場にすることで、Quoraは回答者、閲覧者の両方のグロースを得たい考えだ。

Quoraの最大の問題は、ユーザーが何を尋ねたらいいかと戸惑うことだ。きっかけがないところで、好奇心を探求するよう脳に訴えかけることは難しい。新機能では回答者と彼らの専門性をきっかけとして、これまでにないほどユーザーから質問を引き出すことができるだろう。ギリシャの哲学者と同じように、知識はいつも共同体から誕生しているのだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

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TechCrunch Japan

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