Qualcommのワイヤレスイヤフォン用新チップセットはノイキャンの向上と1日持つバッテリーを約束

現在、ワイヤレスイヤフォンの種類は非常に多く、追いかけていくのは大変だが、このビジネスに参入する新規および既存のメーカーが爆発的に増えた理由の1つは、Qualcomm (クアルコム)のBluetooth(ブルートゥース)オーディオSoC(QCC5100とQCC30xxシリーズなど)の登場である。そのQualcommが、米国時間12月16日、ワイヤレスポートフォリオに最新チップセットQCC305xを追加した。

当然のことながら、前身である3コアの304xと比較して、4つのより強力なコアを持つ、さらに強力なチップだ。しかしここで本当に有望なのは、この追加の処理能力を使うことでイヤフォンメーカーが適応型アクティブノイズキャンセレーションや、Alexa(アレクサ)やGoogleアシスタントを起動するためのウェイクワードサポートといった機能を、提供することができるようになるということだ。

新しいチップセットは、QualcommのaptX Adaptive(アプトエックス・アダプティブ)をサポートしており、最大96kHzのオーディオ解像度と、3マイクのエコーキャンセリング、そして外出時にも(あるいは最近ではZoom利用時にも)クリアな通話を可能とするノイズ抑制のためのaptX Voice(アプトエックス・ボイス)をサポートしている。また、処理能力が向上したにもかかわらず、Qualcommは終日のバッテリー駆動が可能であることも約束しているが、最終的にそれに応じてガジェットを調整するのは個々のメーカーの腕次第だ。

画像クレジット:Qualcomm

また新チップセットは、これから登場するBluetooth LE Audio規格も対応するように設計されている。この新しい規格はまだ最終決定されてはいないものの、単一のデバイスから複数の同期オーディオストリームに送り出す(ワイヤレスイヤフォンに便利な)マルチストリーム機能や、周囲の人とスマートフォンからの音楽を共有できる個人的オーディオ共有のような機能を約束している。また、空港やジムといった公共の場で、Bluetoothオーディオを来場者と共有できるようにするためのロケーションベースの共有機能もある。

Bluetooth LE Audioはまだこれからの技術だが、12月16日の発表に先立って行われた記者会見でQualcommは、規格が批准されれば新しいチップはそれに対応できるようになると繰り返し強調していた。

Qualcommの副社長で、音声、音楽、ウェアラブル担当ジェネラルマネージャーのJames Chapman(ジェームズ・チャップマン)氏は発表の中で「QCC305x SoCは、当社のミッドレンジの完全ワイヤレスイヤフォンポートフォリオに、最新かつ最高のオーディオ機能の多くをもたらすだけでなく、来たるべきBluetooth LE Audio規格の開発にも対応できるように設計されています」と語った。「この組み合わせにより、メーカーのみなさまは様々な価格帯でイノベーションを起こせる素晴らしい柔軟性を手に入れることが可能になり、あらゆる種類のエンターテイメントや生産的活動を完全ワイヤレスイヤフォンに依存している、現在のオーディオ消費者のみなさまのニーズを満たすお手伝いができると確信しています」。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Qualcommイヤフォン

画像クレジット:Ramon Costa/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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