Quora、過去1年間にユーザー数等3倍増

Quoraは成長の数値を公表しないことで知られている。その秘密主義から、多くの人々がQuoraは成長していないのではないかと憶測している。Quoraの中でさえ:Quoraはビジネスとして失敗したのですか?というのが、この記事の下調べのためににサイトを開いた私の目に最初に飛び込んできた質問だった。

その質問への最初の回答で、Quoraの投資家Peter Thielはそんな短期的思考に反論してこう聞き返した。「より的を射た質問は、Quoraの成長率は時間と共に加速しているのか、安定状態なのか、それとも著しく減速しているのかだ」。

そしてもちろん、それについてのQuora質問もある:「答は、Alexaを信じる限り〈ノー〉と思われる。おそらくこれを無視すべきでないだろう」

そして今日(米国時間5/28)、公式ブログで公開されたプロモーション・ビデオによって、われわれはQuoraの成長が加速していることを知った。DAU[日間アクティブ]、MAU[月間アクティブ]、登録ユーザー、回答された質問、投票された質問等、ユーザーに関するあらゆる数字が昨年5月から3倍以上に増えている。このスタートアップはホッケースティック状態にあるとファウンダーのAdam D’Angeloは言ったが、いくら私が懇願しても、一年前の成長グラフがY軸のどこにあったのかは教えてくれなかった。

「なぜ(今も昔も)実数を公表しないのか? ユーザーたちもやかましく要求しているのに」と私は尋ねた。1年間に3倍という数字は何ら恥ずべきものではないが、もしそれが1万DAUの3倍だったら大したことはない。「良い理由が見当たらないから。利用数データはわれわれにとって重要な質やユーザー体験を反映しない」と彼は答えた。

評論家たちがAlexaやCompete等のデータを、Quoraのトラフィックが落している証拠として持ちだしていることについてどう考えるか」と私は聞いた。会社がこうして秘密を貫いていると、人々は成功の指標を外部に求めるものだからだ。「われわれはリアルな数字を持っているので、外部の数字ではなくこれを見ている」とD’Angeloは言う。彼はこの成長がシリコンバレー以外にも広がっていることを明らかにし、Quoraがシリコンバレーだけに集中しているという認識に反論した。「カリフォルニア全部を合わせても利用量の10%に満たない。ニューヨークが最大の都市だ」。

上でリンクされている質問で、Thielは消費者向けスタートアップが超高速成長に集中するのは時代遅れであり、あまりにも表層的な発想だと主張している。

「爆発的に成長している会社では特に、焦点を翌月や翌四半期に絞り、年単位で考えることが少ない。これは時間軸として短かすぎる。オールド・エコノミー的発想は、オールド・エコノミーでのみ働く。テクノロジーや高成長ビジネスにはあてはまらない。しかし、今日のスタートアップ・カルチャーは、10~15年的思考をあからさまに無視しており、抵抗さえする」

そこで私はD’Angeloに、Quoraの10~15年計画は何かと尋ねた。「あなたはビデオの中で会社を売る計画は一切ないと言っていた。投資家らが注ぎ込んだ6100万ドルを10~15年後に正当化するのはどんなビッグチャンスなのか?」

「われわれのミッションは世界の知識を共有し成長させることだ。もしこのミッションを大規模に成し遂げることができれば、あらゆる人にとっての価値を生むことができる」と彼は言う。彼はその価値の例として、この国際宇宙ステーションに関するきっちりと書かれたQuora質問を挙げた。他にも、これこれこれ、特にこれなど、例は無数にある。

ビデオでも意図的に強調されていたように、Quoraは「なんとしても」このミッションを全うすべく、エンジニアリングの製品開発、製品管理、データサイエンス、およびデザインの職務担当者を雇うために積極的に採用を進めている。興味のある人は、ここに求人ページがあるので参照されたい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。