Raspberry Piで野生動物を自動撮影するカメラロボットが子どもたちに電子工作とプログラミングを教える

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子どもにプログラミングを教えると称する製品が、このところとても多い。KanoのDIYコンピュータキットとか、ボードゲームのロボット亀さんなど、たくさんプログラマブルロボットや、科学教育風味の玩具が、市場を争っている。

ここでご紹介するイギリスのNaturebytesは、それらとは一味違う。同社のねらいは、子どもがいろいろハックできるテクノロジと、アウトドアへの関心を結びつけることだ。子ども用の辞書から「どんぐり」や「キンポウゲ」などの言葉が姿を消し、代わって「ブロードバンド」や「カットアンドペースト」が載りつつある今は、テクノロジがおちびさんたち全員を、単なるデジタルの消費者に変えてしまう危険性が、あるのかもしれない。

Naturebytesが今日(米国時間6/26)Kickstarterでローンチしたのは、野生動物をとらえるための罠だが、もちろん捕獲用の罠ではなく、Raspberry Piを搭載したカメラで彼らの姿を撮影するだけだ。子どもたちに自然を体験させつつ、電子工作やプログラミングも楽しんでもらう、という製品だ。テクノロジとアウトドアを結びつけるのは、何もなければ自然の中でただ走りまわるだけの子どもたちにとっても、良いことかもしれない。しかも自然環境の中にテクノロジを埋め込む同社の製品は、物のインターネットと呼ばれる近未来の技術動向にも合っている。

このカメラトラップ(“カメラ罠”)は全天候型で、風雨に耐える。Raspberry Pi Model Aプロセッサと電池とカメラと赤外線センサで構成され、もっと上位機種のPiを使ってもよい。センサが動きを感知すると撮影が行われて、走り去る野生動物などが撮れる。製品は組み立てキットなどで、子どもが自分で組み立てて構造などを理解する。今後のための拡張機能としては、撮った写真をWiFiで自動的にアップロードする機能などがある。

また子どもたちは、自分が撮った野生動物の写真をNaturebytesのWebサイトで共有でき、そこから、同好会のようなグループに参加できる。PiとPi用のカメラがすでにあるなら、45ポンドのキットを買ってケースを自分で3Dプリントする。全部入っているキットなら85ポンド、アクセサリ込みなら95ポンドだ。

現時点(日本時間6/27 09:20)で、目標額3万ポンドに対し6000ポンド集まっている。あと28日あるから、まずいけるだろう。発売予定は、今年の12月だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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