Red HatがEnterprise LinuxのDocker中心のバージョンを出すと発表してからほぼ1年経つ今日(米国時間3/5)、長期のベータを終えたRed Hat Enterprise Linux 7 Atomic Hostが一般公開された。このAtomic HostでもってRed HatはDockerのリングに上がり、CoreOSなどとともに‘エンタプライズコンテナOS’の分野に仲間入りすることになる。
このディストリビューションのベースとなっているProject Atomicは、Dockerコンテナを作って動かすことに専念する比較的リーンなオペレーティングシステムを作る、Red Hat賛助のプロジェクトだ。そういう意味では、Canonicalが出しているUbuntu CoreのさまざまなSnappyエディションにやや似ており、こちらもやはり、コンテナの展開向けに最適化されたベーシックでセキュアな基礎的オペレーティングシステムをユーザに提供する。
Project AtomicのコアテクノロジはDockerと、GoogleのコンテナオーケストレーションツールKubernetes、アップデートとロールバックを管理するrpm-ostree、そしてLinuxのシステム/サービスマネージャsystemdだ。
Red HatはそのほかのOSベンダと歩を揃えて、従来の一枚岩的なテクノロジスタックがすたれてマイクロサービスの集合の時代になりつつあることを、認めている。そしてコンテナは、まさしくマイクロサービスにフィットした技術だ。しかし同時に同社は、Atomic HostがRed Hat Enterprise Linuxのセキュリティ機能を完全に引き継ぎ、RHELを支えている認定パートナーたちのエコシステムを継承することを強調している。同社の主張によると、このパートナーのエコシステムがあることによって、コンテナをさまざまなクラウドやハイパバイザ間で容易に移動できるようになる…それらはたとえば、VMware、Microsoft Hyper-V、Amazon Web Services、GoogleのCloud Platformといったパートナーやシステムだ。
Red HatがAtomic Hostでとくに力を入れているのが、セキュリティとライフサイクル管理だ。Atomic Hostではアップデートが自動的にイメージベースで行われる。しかもそれらはワンステップでデプロイされ、何か不具合が生じたらアップデートを簡単にロールバックできる。
Atomic Hostを使うことによってデベロッパは、Red Hat Enterprise Linux 6や7のアプリケーションをパッケージしてそれらをコンテナの中へデプロイすることが容易にできる。そのため、既存のRed HatユーザがAtomic Hostを試してみるのも、比較的容易なはずだ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)