6億5000万ドル(約722億円)のシリーズEラウンドで資金調達を終えたばかりの3Dプリントロケットのスタートアップである Relativity Space(リラティビティー・スペース)が、その生産能力を10倍に増やすべく、100万平方フィート(9万2900平方メートル)の本社工場をカリフォルニア州ロングビーチに建設する。
Relativityの同じくロングビーチにある15万平方フィート(1万3900平方メートル)の現工場も生産を続ける。この工場は同社初のロケットとなる使い捨て型Terran 1に、引き続き焦点を当てる。このロケットは少量貨物向けの設計だ。新しい工場はRelativityの重量貨物用完全再利用可能な2段ロケット、Terran Rの開発および生産を目的としている。どちらのロケットもまだ軌道を見たことはないが、RelativityはTerran 1を2021年末に、Terran Rを2024年初めに打ち上げる計画だ。
2022年1月の新工場稼働に合わせて、同社は雇用の拡大も計画している。2021年中に少なくとも200名の社員を追加したい、とCEOのTim Ellis(ティム・エリス)氏がTechCrunchに語った。新工場の必要労働力は2000人を超えるため「Terran 1の打ち上げとTerran Rの開発開始に向けて1000人単位の新規雇用を行うことは間違いない」とエリス氏は言った。
Relativity独自の3DプリンターであるStargate(スターゲート)は、同社のどちらのロケットもプリントできる。しかし、能力はそれにとどまらない。少なくとも理論的には。Terran Rは再利用可能なので、巨大な新工場で生産可能な数よりもはるかに少ないロケットしか必要としないはずだ。そこで疑問が生じる。一連のプリンターは何を作ることになるのか?
エリス氏はいくつか可能性を示唆した。「ここではTerran Rを製造し、当初は開発を行いますが、長期的には次に当社が宇宙に送り込む何かを作るために、この工場の改善と再構成を続けていくことができるでしょう」と彼は言った。しかし、それがどんなものなのか正確には言わなかった。
「たしかに時間とともにプリント能力に余剰ができます、Terran Rは再利用するので。このため、ある時点で私たちには山ほどのプリンターと大量の空き時間があることになります。そんな能力を得たら何ができるか想像してみてください。次の破壊的製品に向けて突き進むだけです」。
Stargateプリンター群に加えて、敷地内にはカスタマイズ版DMLS(直接金属レーザー焼結方)メタル・プリンター、冶金研究所、機械工場、ミッション管制センターなどがある。ミッション管制センターではその名の通りミッションオペレーターが、フロリダ州ケープ・カナベラルとカリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地で行われる打ち上げの監視と管理ができる。
Relativityはこの場所を、土地所有者であるGodman Groupから「長期間契約」で賃借しているとエリス氏は言った。かつて当地は、Boeing(ボーイング)が軍用輸送機C-17の製造に使用していた。
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カテゴリー:宇宙
タグ:Relativity Space、工場、3Dプリント、ロケット
画像クレジット:Relativity Space
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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nob Takahashi / facebook )