簡単な質問を友人に聞きたいだけにも関わらず、長いやりとりになってしまうことがある。iPhoneとApple Watch用の新しいアプリRe:quest はそんな状況に手を貸したい。出口の見えない回りくどい会話を無くすため、Re:questでは質問とそれに対応するいくつかの回答の選択肢を友人に送ることができる。友人は特定の回答をタップして返信する。このメッセージクライアントは特にApple Watchで使用するのに適しているだろう。友人はわざわざ回答を大声に出して端末に読み込ませる必要がなく、具体的な回答をすぐに返信できるからだ。
このアプリではメッセージの受信者は、提示された選択肢の中から一つを回答として選ばなければならない。テキストでの長い会話の代わりに、今聞きたいことに対する具体的な返信が期待できるだろう。
例えば、誰かに「夕飯は何にしたい?」と聞きたい場合は、選択肢として食べ物や料理のリストを合わせて提示する。あるいは、パートナーに帰宅時間を尋ねる場合は、「一時間内には」「夕食前には」「遅れています」やユーザーが適当だと思う返信をアプリに入力し、受信者はその中から回答を選ぶ。
iPhoneベースのモバイルメッセンジャーのインターフェイスはとてもシンプルで、インボックスの画面では、質問に対しては素早く回答を返信し、相手から返信された回答の確認もできて機能的だ。加えて、コンタクトリクエストの承認や2つしか選択肢のない質問に対しては、iPhoneのロック画面の通知を左にスワイプするだけで返信ができる。
ただRe:questは、iPhoneよりApple Watchのデフォルトのメッセージアプリの代替として最も効果的に使用できるだろう。WatchだけでもRe:questを使いこなすことができる。質問は音声入力で行い、過去の回答を閲覧したり、通知から質問に対する返信を行ったり、友人からのコンタクトリクエストの承認もできる。
Apple Watchのこれに似た「スマート返信」機能では、会話に適切と判断された文言が用意され、テキストの返信を素早く行う方法が紹介されている。(例えば、「今は話せない」「まだ分からない」「はい」「後で話そう」などが表示される。)しかしRe:questでは、それ以上に素早く返信することができ、また質問に対してより具体的な回答ができる。
もちろん、このアプリを利用するには友人もこのアプリを持っていなければならない。このアプリは、ユーザーのアドレス帳をスキャンすることはなく、代わりに、ダウンロードリンクを友人に送る、あるいは友人の「ID」(アプリが提供するコード)を入力すると、サービスの利用が可能となる。
Re:questは、MartianCraftのチームによって製作された。Martian CraftはNews Corp、Rhapsody、オバマ大統領のキャンペーン 、IBM、NASA、APなどのブランドのコンサルティングサービスを行うスタジオで、自社のアプリも開発してきた。
MartianCraftのマネージングパートナーであるRob Rhyneは、このアプリはスマートフォンを取り出さなくても返信を素早く送受信したいと思ったことから生まれたという。「忙しい伴侶やパートナーに仕事の後にどこに行きたいかを聞いてもなかなか連絡が取れなかった事がある人は、このアプリを使ってみてほしい」と彼は話した。
Re:questは、サービスのバックエンドをほとんど無料で提供するAppleのCloudKitのフレームワークで製作された。Rhyneは、これにより月々の運営コストはゼロに近いと話す。多くの人にこのアプリを使用してほしいと彼らは考えているため、Re:questは App Storeで無料で提供している。
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