クラウドファンディグで作る時計には2種類ある。一つはファッション・アクサリー、もう一つは伝統的デザインと職人技を追求した作品だ。嬉しいことにReverie Classicは後者だ。作ったのはSamuel Tayで、以前航海をテーマにしたハンサムな自動巻時計、Sea Spiritのクラウドファンディングでかなりの成功を収めた。
Reverie Classicの価格は350ドルで、ムーブメントはこの種の腕時計ではごく一般的なMiyota 8218 。私が気に入っているのは ― だからこうして紹介しているのだが ― 昔ながらの文字盤と美しく装飾された動作部分を組み合わせた懐古的デザインだ。すべてが相まって醸し出す心地よいウマミが時計愛好者の魂を捕える。
文字盤にはギョーシェ模様が刻まれている。丁寧にエッチングされた細い線が光を受けると普通では見られない明るさを文字盤にもたらす。この種の装飾は複雑かつ高価で、かつては懐中時計を読みやすくするためのデザインとして用いられていた。青色の針はやや時代錯誤的だが ― 通常の針はもっと曲線的 ― この作品によくマッチしている。日付表示窓もあり、クラシックな竜頭にはロゴが刻印されている。
すべてに魅力的なその造作はフォーマルウェアにぴったりで、先祖返りのデザインはまさに時代を超越している。裏面のガラス窓から見えるわずかに装飾されたムーブメントと、スケルトン化された自動巻き用ウェイトも味わい深い。
この種の時計はいわゆるハイテク製品ではないが、Tayが最新技術を使ってこういう時計を手頃価格で作れたことは、ハイテクの産物と言える。XetumやBathysと同じく、こうした少数生産のブティック・ウォッチは、Android WearやApple Watchに飽き足りない人たちの心を把むだろう。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)