Rivianが有害な「ボーイズクラブ文化」で女性の元副社長に性差別訴訟を起こされる

このほどIPOを申請した電気自動車メーカーのRivian(リビアン)が、元営業・マーケティング担当副社長から性差別の疑いで訴えられた。

この訴訟では、2020年11月にRivianに入社する前にJaguar Land Rover(ジャガー・ランドローバー)やAston Martin(アストン・マーティン)で長い職歴を持っていた元営業・マーケティング担当のLaura Schwab(ローラ・シュワブ)氏が、同社の人事部に性差別を報告した後に解雇された、としている。米国時間11月4日にオレンジ郡のカリフォルニア高等裁判所に訴状が提出された。

Rivianの広報担当者はTechCrunchに対し、株式公開を控えた静粛期間にあるため、コメントは出せないと話した。

シュワブ氏は、米仲裁協会(AAA)に主張の声明を提出し、Mediumに掲載されたブログ記事の中で自身の主張を述べている。TechCrunchが閲覧したAAAの声明では、同社の上層部における「有害な兄弟文化」について述べられている。この訴訟では、シュワブ氏は問題を指摘しようとしても上司に度々無視されていたと主張している。また、男性の同僚が出席する会議からもよく排除され、シュワブ氏のチームに関する決定は同氏の意見を無視して行われていたと、声明には書かれている。また、AAAに出した声明によると「Rivianの誤解を招くような公表や欠陥のあるビジネス慣行」に関する彼女の懸念は却下されたという。

シュワブ氏が「ボーイズクラブ文化と、経営幹部から受けていた性差別」について人事部に話したところ、Rivianは突然彼女を解雇した、と声明にはある。

ブログの中で、シュワブ氏は次のように書いている。

Rivianは自社文化を公に自慢しています。ですから、私が入社してすぐに、女性を疎外し、会社のミスを助長するような有害な兄弟文化を経験したときは、痛烈なショックを受けました。上司からの性差別「ボーイズクラブ」文化、そしてそれが私や私のチーム、会社に与えている影響について、私は人事部に懸念を示しました。その2日後、上司は私を解雇しました。

この訴訟は、Amazon(アマゾン)の支援を受けているRivianが、2021年最も期待されている上場の1つを行う準備をしている中で起こされた。規制当局に提出された直近の書類によると、Rivianは新規株式公開で最大84億ドル(約9560億円)の資金調達を計画している。同社は、1億3500万株を57〜62ドル(約6480〜7055円)の価格で提供する予定だ。また、引受人は2025万株まで追加購入できるオプションを持っている。引受人がこのオプションを行使した場合、Rivianは最大で96億ドル(約1兆925億円)を調達することになる。

発行済み株式数に基づくと、その市場評価額は約530億ドル(約6兆320億円)になる。従業員のストックオプションやその他の制限付き株式を考慮すると、評価額は600億ドル(約6兆8290億円)にもなる。同社は10月1日に米国での上場を申請した。

画像クレジット:Kirsten Korosec

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。