Rocket Labが宇宙飛行ソフトウェア・ミッションシミュレーション企業ASIを45億円超で買収

Rocket Lab(ロケット・ラボ)は米国時間10月12日、米コロラド州を拠点とする宇宙ソフトウェア企業Advanced Solutions, Inc. (ASI)を4000万ドル(約45億4000万円)で買収したことを発表した。今回の取引にはアーンアウト条項に基づき、CY2021の業績に応じて最高550万ドル(約6億2000万円)の追加支払額が含まれる。ASIの専門分野は、誘導・航法・制御(GNC)ソリューションを含む宇宙船フライトソフトウェア、およびミッションシミュレーションとテストソフトウェアだ。この買収は、Rocket Labが宇宙システム部門を強化し、真の「エンド・ツー・エンド」宇宙企業になるための取り組みを強化するものだ。

Rocket Labは創業以来、打ち上げを主な事業としており、Electron(エレクトロン)軽量物運搬ロケットの製造と飛行に関する独自の専門知識により、新興の商業打ち上げ市場において独自の地位を確立している。また、2020年、Sinclair Interplanetaryを買収し、宇宙船のハードウェアコンポーネントの開発・製造という点で重要な能力を加えた。ASIの20年以上にわたる宇宙ソフトウェア分野での経験は、複数の軌道および惑星間のミッションに利用されており、Rocket Labがミッションの打ち上げだけでなく、計画、テスト、運用などの面でも顧客に提供できるサービスを強化するのに役立つ。

今回の買収条件では、ASIチームはコロラド州に残り、同社の創業者兼CEOであるJohn Cuseo(ジョン・キュセオ)氏が引き続き経営を担当し、既存の顧客との関係も維持される。またこれによりRocket Labは、官民ともに宇宙産業が盛んなコロラド州に拠点を置き、チームを成長させることができる。

画像クレジット:Rocket Lab

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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