国際宇宙会議にてRocket Lab(ロケット・ラボ)は、現在の低軌道を越えた、月への貨物輸送を含む軌道への小型衛星打ち上げサービスを開始すると発表した。より長距離を目指すこのサービスでは、同社の宇宙船ことPhoton(フォトン)により、追加のロケットステージと組み合わせて到達範囲を拡大する。同社は、この新しく遠方を目指す宇宙船により、早ければ2020年第4四半期(10月〜12月)に運用が開始できると期待している。
これは昨年打ち上げサービスを開始して以来、LEO(低軌道、地表から約320km〜1900kmの間)に焦点を当ててきた、ロケット打ち上げスタートアップのビジネスを大きく拡大する。Rocket LabのCEO兼創設者のPeter Beck(ピーター・ベック)氏はプレスリリースの中で、これらは軌道への打ち上げに興味がある政府と民間のクライアントの両方から、追加のインバウンドを呼び込むものだと述べた。
Beck氏によると、この需要は有人探査と月周辺のインフラ建設(NASAのアルテミス計画には、国際協力によるLunar Gatewayの月軌道ステーションと、月面基地の建設が含まれる)へとより多くの投資が期待される時にのみ増加するという。小型衛星は低リスクな先行ミッションを提供し、より大きく永続的なプレゼンスを確立するために必要な、先行インフラを確立するのに役立つだろう、と主張している。
ベック氏によると、すでに既存の需要もあり、多くの研究機器とフルサイズの人工衛星が、深宇宙探査の実施を待っているという。つまり、Rocket Labはこれが将来の需要の予測ではなく、すでに市場に存在する満たされていないニーズに対応するものだと強調している。
この目標を達成するためにRocket Labが使用するPhotonは、ElectronのKick Stageの発展型だ。これをElectronと組み合わせることで、Rocket Labの顧客はLEOから地球の軌道を超え、月までのあらゆるミッションのためのソリューションを手に入れられると同社は述べている。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)