Salesforceは売上5300億円超えの記録的四半期の一方で約1000人をレイオフ

奇妙なタイミングのように感じるが、Salesforce(セールスフォース)は同社が約1000名の従業員をレイオフするという米国時間8月26日の報道を認めた(Wall Street Journa記事)。5万4000人という強力な労働人員の約1.9%にあたる人数だ。このニュースは、米国時間8月25日に同社が四半期売上が50億ドル(約5333億円)を初めて超えた記録的四半期決算を報告(セールスフォースプレスリリース)した直後に発表された。

実際、ウォール街はセールスフォースの実績に色めき立ち、株価は8月25日に26%の急騰を記録(CNBC記事)し、会社の価値を大きく高めた。こうした驚きの金銭的成功と本日のニュースの折り合いをつけるのは一見困難に思える。

しかし実際には8月25日の業界アナリスト向けの電話会見で、プレジデント兼CFOのMark Hawkins(マーク・ホーキンス)氏が漏らしていたことだった(The Money Fool記事)。ただし同氏はL(レイオフ)のつく単語そのものを使うことはなかった。代わりにこの差し迫る変革を、リソースの再配置と表現した。

同時にホーキンス氏は今後1~2年における投資戦略の変更について語った。「これは、事業優先度に適合しない分野を見直し、成長に向けてリソースを再配置することを意味している」と同氏が会見で話した。

この内容は、TechCrunchがニュースを確認したときにセールスフォース広報が話した内容と正確に一致している。「当社は会社が成長を続けるためにリソースを再配置する。これには継続的な雇用、戦略的分野強化のための一部従業員の配置転換、および事業優先分野にあてはまらない職の一部削減などが含まれる。影響を受ける社員に対しては、社内外を問わず次の職場を見つける手助けをする」と広報担当者は語った。

ちなみに、今年セールスフォースのCEOであるMarc Benioff(マーク・ベニオフ)氏が、90日間は大規模なレイオフを行わない(未訳記事)と誓約していたのは今となっては注目に値する。

現在は、その90日という期間ははるか前に過ぎており、会社は何らかの人員整理を行うべき時がきたと決断した。

これをServiceNow(サービスナウ)のCEOであるBill McDermott(ビル・マクダーモット)がベニオフ氏のツイートから数週間後に、今年いっぱい1人の社員もレイオフしない(未訳記事)ことに加えて、年内に全世界で1000人を雇用し、夏のインターンを360人受け入れる と約束した発言と比較するのも興味深い。

画像クレジット:Ron Miller/TechCrunch

関連記事:Salesforce’s Benioff pledges no ‘significant’ layoffs for 90 days(未訳記事)

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。