Salesforce主導でインドのHRプラットフォームDarwinboxが15.6億円調達、アフリカ進出も検討

クラウドベースの人材管理プラットフォームを運営するインドのスタートアップDarwinboxは、インドと東南アジア市場でのさらなる拡大を目指して、新たな資金調達ラウンドで1500万ドル(約15億6000万円)を調達した。

インド南部のハイデラバードに本社を置くこのスタートアップの新しいラウンド(シリーズC)は、米国セールスフォース・ドットコムの投資部門であるSalesforce Ventures(セールスフォース・ベンチャーズ)が主導した。これは、Salesforce Venturesのインドでの数少ない投資の一つだ。Lightspeed IndiaやSequoia Capital Indiaなどの既存の投資家もこのラウンドに参加しており、設立して5年の同社のこれまでの資金調達額は約3500万ドル(約36億3000万円)となる。

Tokopedia、Indorama、JG Summit Group、Zilingo、Zalora、Fave、Adani、Mahindra、Kotak、TVS、National Stock Exchange、Ujjivan Small Finance Bank、Dr.Reddy’s、Nivea、Puma、Swiggy、Bigbasketなど、500社以上の企業がDarwinboxのHRプラットフォームを使用して、60カ国で100万人以上の従業員にさまざまな機能を提供していると、Darwinboxの共同創業者であるChaitanya Peddi(チャイターニャ・ペディ)氏はTechCrunchの取材に対し述べた。これは2019年末にサービスを提供していた50カ国・約200社からの増加だという。

ペディ氏は、同社は常にSalesforceからインスピレーションを得てきたと語り、この巨大企業からの投資は「父親からお墨付きをもらった子供のようなもの」と述べている。

今回の資金調達により、新型コロナウイルスがアジア諸国に広がり不透明感に包まれていた過去一年は、同社にとって最も成功した年となった。その顧客が世界的なパンデミックをナビゲートするために混乱した中で、当初打撃を受けたが、最後の2四半期はこれまでで最高の業績となった、とペディ氏は語った。

全体として、同社の収益は、最後に資金調達を行った2019年9月から300%増加している、とペディ氏は述べている。「HRテックとSaaSの領域では、インドで収益の面ではSAPとOracle(オラクル)にしか後れを取りません」と同氏は語った。

同社の初期バッカーであるLightspeed IndiaのパートナーであるDev Khare(デヴ・カーレ)氏は、Darwinboxは、デジタルトランスフォーメーションを目の当たりにしているアジアのコングロマリット、政府機関、高成長企業やアジアで事業を展開する多国籍企業に好まれる人材管理ソリューションになっていると述べた。

Image Credits: Darwinbox

Darwinboxのプラットフォームは、従業員の「採用から退職まで(hiring to retiring)」のサイクル全体のニーズに対応するように構築されている。Darwinboxは新規採用者のオンボーディングを処理し、彼らのパフォーマンスを把握し、離職率を監視し、継続的なフィードバックループを提供している。

また、従業員同士のつながりを維持するためのソーシャルネットワークや、電話からの素早い音声コマンドで休暇の申請や会議の設定ができるAIアシスタントを顧客に提供している。

ペディ氏によると、同社はこの新たな資本を投入して、中東アジアやアフリカなどの新興市場を中心に、さらに数カ国に進出し、サービスを拡大していく予定だという。「我々は、当社のプラットフォームの力を活用して、さらに多くのことに挑んでいきます。当社は製品主導の企業であり、焦点はこの分野でのイノベーションであることに変わりありません」と彼は語った。また同社は、無機的成長のために小規模な企業を買収する機会を模索することにもオープンである、と同氏は述べている。

「インドは世界で最も若い人口を抱えており、2050年には世界の労働年齢人口の18%以上を占めると予想されています」とSalesforce Indiaの会長兼CEOであるArundhati Bhattacharya(アルンダハティ・バタチャリヤ)氏は声明で述べている。「このため、ワークフォースに焦点を当てたDarwinboxのようなテクノロジープラットフォームが非常に重要になります。Darwinboxがこの分野で成長と革新を続ける中で、Salesforceが彼らの旅路をサポートしていることを誇りに思います」。

Salesforce Venturesのパートナーで国際部門の責任者であるAlex Kayyal(アレックス・カヤル)氏は、TechCrunchのインタビューで、Salesforceはパートナーシップを組んだスタートアップ企業をSalesforceの顧客、経営幹部、ネットワークに紹介したりして、さまざまな方法でスタートアップの事業拡大を支援していると語っている。

「当社には、クラウドソリューションやデジタルトランスフォーメーションを求める、最も革新的で破壊的な顧客基盤があります。ですから、Darwinboxのような企業を当社の顧客基盤に紹介する機会を得られることは、我々にとって非常に嬉しいことです」とカヤル氏は語った。Salesforce Venturesは、インドでのさらなる投資機会を模索している、と同氏は述べている。

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カテゴリー:HRテック
タグ:インド 資金調達 セールスフォース

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(翻訳:Dragonfly)

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TechCrunch Japan

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