Intelを抜いて世界最大のチップセットの売り手になったSamsungが、bitcoinやetherなどの暗号通貨を採掘する(マイニングする)ために使うASICチップの製造を開始したことを確認した。
同社のスポークスパーソンは本誌TechCrunchにこう語った: “Samsungのファウンドリー事業は現在、暗号通貨採掘チップの生産に従事している。しかし、われわれの顧客に関する詳細を開示することはできない”。
Samsungは、本誌の詳細情報の求めに応じなかった。
これより前に韓国のメディアの報道は、この巨大テクノロジー企業が、名前が公表されない中国の流通パートナーとのコラボレーションをしている、と報じている。Samsungはすでに、GPU用の大容量のメモリチップを作っており、それらのGPUは、コンピューター上のグラフィクスを扱う従来的な用途のほかに、採掘目的にも利用されている。
採掘目的のASICは目下、中国のBitmainやCanaan Creativeが市場を支配し、台湾の巨大企業(世界最大の半導体ファウンドリー)TSMCと協働しているが、Samsungは彼らと競合することになる。実際のところ、暗号通貨のブームによりTSMCの四半期売上は一気に4億ドル近く増加した、と言われる。
Samsungの今後の戦略はまだ明らかでないが、ファウンドリービジネスとしてTSMCとの競合になることは確かだ。TSMCとはすでに、そのほかの分野でも競合しているが、今度は完成製品としての採掘製品を作って売っている企業を、顧客として奪い合うことになる。もしもSamsungが新しいパートナーを獲得したり、ハードウェア製品を自分でも作るようになれば、Bitmainらとも競合する。
いずれにしても暗号通貨は、Samsungにとってかなり大きな事業部門になるだろう。同社の2017年のチップの売上690億ドル は、主にスマートフォン業界からだったが、今後は暗号通貨採掘チップも、売上に大きく貢献するだろう。
注記: 本稿の筆者は小額の暗号通貨を保有している。それは、勉強のために十分な量であり、自分の生き方が変わるほどの量ではない。