2021年のSamsung(サムスン)は時間を無駄にしない。Mobile World Congress(MWC)が約6カ月延期される中、同社はCES 2021の余韻が残るうちに新製品を発表した。ただし、先日のプレスカンファレンスとは異なり、今回のUnpackedイベントは単独製品のみで行われた。
それも当然だろう。さまざまな問題を抱えるモバイル業界(新型コロナパンデミックはもちろん助けにならない)の中で、Galaxyシリーズは実に好調だ。みんな数年前ほどフラグシップ機種を買わなくなったかもしれないが、買うならSamsungというのはよく聞く話だ。
私は普段この手の記事で価格は最後まで書かないのだが、今回は先出しする価値がある。米国時間1月14日、SamsungはS21シリーズの新たな3機種S21、S21+、S21 Ultraを発表した。米国での価格はそれぞれ799ドル(約8万2900円)、999ドル(約10万3700円)、1119ドル(約11万6100円)。2020年は999ドル、1199ドル、1399ドル(約14万5200円)だった。まだまだフラグシップ的な価格には違いないが、200ドル(約2万800円)の値下げは決して小さくない。
そしてこれは、フラグシップ機の廉価版やフラグシップ・ライトを出して市場を鎮めようとしているのとは違う意識的な変更だ。スマートフォンの販売はパンデミック以前から下降しており、1000ドル(約10万3800円)以上というフラグシップモデルの定常的な値づけは特にその煽りを受けている。もちろんパンデミックは、さまざまな意味でそれを深刻化させた。そして売上のリバウンドを呼ぶはずだった5Gも、期待にはほど遠かった。
もちろん5Gは、2019年以来Samsungの目玉機能だ。同社はこのところGalaxyシリーズにあらゆるものを盛り込んでいるので、5Gもまあ予想通りの機能だ。おそらくSamsungは、改めて画像処理を重要な差別化要因として考えているようだ。
モバイル責任者のTM Roh(TM・ロー)氏が新端末についてこう語っている。
モバイルファーストの世界で多くの人々がリモートで働き、家で過ごす時間が増えている中、変化し続ける人々の行動の厳しいマルチメディア需要に応えるスマートフォン体験を届けたいと私たちは考えます。そして今だからこそ、選択肢の重要性も認識しています。Galaxy S21シリーズが、みなさんのスタイルとニーズに合った最高の端末を選ぶ自由を提供しているのはそれが理由です。
各企業が最近の発表の中で「この困難な時期に」という表現を続けている理由は痛いほどわかるが、ほとんどの場合、新型コロナウイルス(COVID-19)に対応した新機種というのは、上で述べた価格を別とすればいい過ぎだろう。そして私が思うに、家を出る人が少なくなっている現在、スマートフォンが主要な生産性機器になるという夢は、おそらく消えかかっている。
とはいえ、S21 Ultraは非常に重要なものを1つ隠し持っている。UltraをS Pen対応にしたことでSamsungは、Galaxy SとNoteの境界線を一層曖昧にした。ユーザー体験はある程度違うが、ユーザーはスタイラスを使って端末に文字や絵を書くことができるようになる。ペンは別売りで、端末にも格納できないが、Samsungはペンを入れられるケースを発売する予定だ。果たして新しいNoteで積極的に差別化していくのか、それとも2つのシリーズが統合されていくのか注目だ。なんといってもS Penは長年の重要な差別化要因だったのだから。
新機種にはUltra-Wideband(超広帯域無線)機能もついたため、クルマのドアを解錠したり、ARメッセージで落としモノを見つけるといった数々の機能が入った。詳しくは後日。
外観で最大の変化は、カメラハウジングが一直線になったことだ。実際に見るまで私の評価は控えるが、新たな「コンターカット」ハウジングは、ブルータリストというか前の世代よりも工業製品的だ。拡張メモリーは廃止された。昨今の内蔵メモリーはmicro SDをほとんど無用のものにした、という話も聞くが、ちょっとした差別化要因ではあった。
Samsungはヘッドフォンの充電アダプターもパッケージから外した。Appleが環境への配慮と称してアクセサリーの同梱を止めたことを揶揄する広告をSansungが取り下げた時から予想されていた動きだ。ヘッドフォンジャックのときと同じく、歴史は繰り返すのだから。
ハードウェア面では、トリプルカメラの状況はさほど変わっていない。S21とS21+は、12メガピクセル超広角、12メガピクセル広角、および64メガピクセル望遠と、30倍スペースズームを搭載している。Ultraは、12メガピクセル超広角、108メガピクセル広角、および3倍と10倍の光学ズームからなるデュアル望遠システムを搭載する。Samsungがデュアル望遠を採用するのは初めてだ。さらにUltraは、Bright Nightセンサーのおかげで低照度撮影も改善された。
画像処理ソフトウェアでは、8K動画から静止画を切り取る機能、映像安定化の改善、フロントとリアカメラを同時に使える「Vloggerビュー」などが加わった。最後の機能を日常的に使うことは私にはありそうにないが、創造的な使い方を見つける人が出てくるに違いない。
画面のサイズはそれぞれ約6.1、約6.7、約6.8インチで、最後の数字は全モデルであるS20 Ultraの6.9インチより小さい。リフレッシュレートはすべて120Hzで使用方法に適応する。全機種についた新しいEye Comfort Schieldは、ブルーライトを減少させる。
米国では、3機種とも最新のQualcomm Snapdragon 888が搭載される。S21とS21+はRAM8GB、ストレージ128GBから、UltraはRAM12GB、ストレージ256GBから。バッテリーはそれぞれ4000、4800、5000mAhと十分だ。米国では現在予約受付中で出荷は1月29日の予定となっている。
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Samsung、Samsung Galaxy、スマートフォン
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )