Uber(ウーバー)からのスピンアウト企業で、歩道を走行する配達ロボットを製造しているServe Robotics(サーブロボティクス)は、一部の商業配達を人間が介入することなく完了できる次世代ロボットを配備すると発表した。特定の運用領域(ジオフェンスで囲まれた地域)において、Serveはロボットを遠隔操作するオペレーターや、安全のためにロボットの後をついていくスタッフに頼ることはない。
Coco(ココ)、Starship Technologies(スターシップ・テクノロジーズ)、Kiwibot(キウィボット)など、この業界のほとんどの企業は、自律走行による配達を監視し、ロボットが停止したり助けが必要な場合に走行を引き継ぐのに遠隔オペレーターに頼っている。なので、Serveのマイルストーンは、まさにロボット配達の進歩への一歩だ。
同社の共同創業者でCEOのAli Kashani(アリ・カシャニ)氏はTechCrunchに「我々が解決した問題は、安全のために遠隔操作に頼るということは、100%信頼できるLTEネットワークと100%ミスのないオペレーターに頼らなければならないということであり、どちらも絶対の確保は不可能です」と語った。「安全のために人間の注意が必要なのに、映像が遅れたり、接続が切れたりする場合を考えてみてください。レベル4ロボットがあれば、安全を確保するために人間がループに入る必要はありません」。
Serveは2021年12月に次世代ロボットの展開を開始し、最近、レベル4の自律性で最初の配達を完了したという。レベル4について自動車技術協会(SAE)は、一定の条件を満たす限り自律的に走行でき、人間が運転を引き継ぐ必要がないシステムと定義している。現在、Serveが2018年から事業展開しているハリウッドなど、ロサンゼルスの一部の地域で使われているロボットがレベル4機能を備えていると、カシャニ氏はいう。
「レベル4が有効な所定エリアにロボットがいるとき、遠隔ビデオフィードはオフになり、ロボットはループ内の人間を必要とすることなく自律的にナビゲートし続けます」と同氏は説明する。「ロボットは、何か予期せぬことに遭遇した場合など、いつでも支援を要請することができます。また、交差点を横断する際には、ビデオをオンにすることもできます。しかし、大半の時間は自律的に動作しています」。
自律走行車両がレベル5に到達し、あらゆる状況で人間がいなくても操作できるようになるまでは、ロボットが不慣れな特殊ケースが常につきまとう。そのような場合に人間に頼ることは、安全面でも商業化の面でも理に適っている、とカシャニ氏はいう。
Serveの新型ロボットには、 Ouster(オースター)の超音波センサーやライダーセンサーなどのアクティブセンサーと、交通量の多い歩道を誘導するためのカメラなどのパッシブセンサーが搭載されている。Serveは自動衝突防止、車両衝突回避、フェイルセーフ緊急ブレーキなど、ボットのために特別な機能を開発したという。これらの機能をリアルタイムで実現するために必要な計算には、チップメーカーNVIDIAのJetsonプラットフォームが使用されている。同プラットフォームはロボットやその他の自律型機械向けに特別に設計されているものだ。
Serveは12月に1300万ドル(約14億円)の拡張シードラウンドを実施し、調達した資金は新しい顧客層や地域への拡大計画の加速に充てられるという。そうした目標に沿って、同社の次のステップは、次世代ロボットをより多くの地域に配備することで、まずはロサンゼルスでの拡大を目指すとカシャニ氏は述べた。
画像クレジット:Serve Robotics
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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi)