Shopify上での店舗のサブスク販売を支援するSkioが4.2億円調達

Skio(スキオ)は、Shopify(ショッピファイ)上の店舗のサブスクリプション販売にともなう苦痛を取り除くことを目指すスタートアップだ。同社は、シードラウンドで370万ドル(約4億2000万円)を調達した。

同社はHulu(フールー)とPinterest(ピンタレスト)に勤務していたエンジニアのKennan Davison(キーナン・デビソン)氏が4月に創業した。

デビソン氏はSkioを、フィンテックかつインフラの会社だと説明する。以前、Y Combinatorで練った構想から方向転換した。Skioが挑むのは、ReCharge Paymentsのような会社だ。ReCharge Paymentsもeコマースブランド向けにサブスクリプションソフトウェアを開発した。2021年初めには2億2700万ドル(約259億円)を調達し、同社には21億ドル(約2400億円)の評価額がついた

ニューヨークを拠点とするSkioは、Shopify上の店舗がサブスクリプションで販売できるよう、支払いスケジュールの管理だけでなく、サブスクリプションを管理するための顧客ポータル構築やSMSサブスクリプション管理など、消費者向けのプロセスに関わるあらゆることを支援する。

同社が使用する最新のフレームワークにより、既存のサービスよりも「はるかに迅速な構築」が可能になると主張する。

「迅速に構築するので、既存のソリューションよりも優れた機能を実現できます。Shop Payを使ったコンバージョン率を高めるワンクリック精算、カスタマーチケット(顧客からの問い合わせ)を減らすパスワードレスログイン、10倍速いサブスクリプション編集、すぐに使えて即時ロード可能なヘッドレスサブスクリプションポータル、グループサブスクリプション割引、ReChargeからの簡単な移行などがあります」とデビソン氏は語る。

Skioのしていることは正しいに違いない。すでにBev、MatchaBar、Remedy Organics、Quokka Brew、Muddy Bites、Barukas、Simulate、Red Bay、Dandelion Chocolate、Siete Foods、Doe Lashes、Backboneなど多くの顧客を抱えているからだ。

「私たちは、Shopifyの小規模な販売店とともに、市場の底辺からスタートしました」とデビソン氏はTechCrunchに語った。「今、ReChargeからSkioに、大規模な顧客が移ってきています」。

画像クレジット:Skio

この起業家のサブスクリプションに関する経験は高校時代に遡る。授業をサボり、Conscious Boxというサブスクリプションボックスのスタートアップでウェブ開発を行うようになったという。その後、Huluでエンジニアとして働き、サブスクリプション割引を管理するアプリをつくった。その後、Pinterestでグロースエンジニアとして、ユーザーのコンバージョンを高めるために200以上のA/Bテストを行ったという。

Skioは今のところ、Shopifyの販売店向けにサブスクリプションを支援しているが、デビソン氏の目標は、いつか「すべてのインターネット上の」販売店向けに仕事をすることだという。

AdjacentがSkioのシードラウンドをリードした。創業者のNico Wittenborn(ニコ・ウィットンボーン)氏は、モバイルファーストのサブスクリプション企業に焦点を当て、2020年同社を設立した。Adjacentを設立する前、ウィットンボーン氏はPoint Nine CapitalとInsight Partnersで働き、Calm、Revolut、Prose、Oura、Reflectlyといった企業を支援してきた。

今回の資金調達には、MuteSixのDaniel Rutberg(ダニエル・ラトバーグ)氏とMoody Nashawaty(ムーディー・ナシャワティ)氏、Shaan Puri(シャーン・プリ)氏、ItalicのJeremy Cai(ジェレミー・ケイ)CEO、Tiltの共同創業者でMagic Mindの創業者であるJames Beshara(ジェイムズ・ベシャラ)氏、Julian Shapiro(ジュリアン・シャピロ)氏、Sahil Bloom(サヒル・ブルーム)氏、そしてImmi、Thingtesting、Taika、Smile.io、Literati、Linjer、Raycon、Cresicor、Corted、Orcard Analytics、Cohereの創業者や幹部など多くのエンジェル投資家が参加した。

現在、Skioの従業員は5人だが、新しい資金を製品開発にあて「世界レベルのソフトウェアエンジニアを積極的に採用する」そうだ。

「1人で始めたため、適切な人たちにかなりの株式を与えることができる状態です」と同氏は話す。

リードインベスターのウィットンボーン氏はTechCrunchに対し、近年はShopifyエコシステムを追っており、その前は暗号資産のChainalysis、モバイルのRevenueCat、Salesforce(セールスフォース)エコシステムのOwnBackupなど、他の成長中のエコシステムに同様のインフラ投資を行っていたと語った。

「私がキーナンを紹介されたとき、彼はShopifyベースのサブスクリプションサービスのための基礎的部分を構築しているようでした。Skioの既存顧客や潜在顧客といくつかリファレンスコールをもったところ、同社の製品が既存のソリューションよりもはるかに有望で柔軟であることがすぐにわかりました」と同氏はメールに書いた。「真の競合他社はReChargeだけです。同社は市場の支配的な立場に安住しているように見えます。これはエコシステムのフラストレーションにつながると同時に、キーナンのような人に、より反応の良い統合された製品と、より良い顧客サポートで物事を揺るがす機会を作り出しました」。

画像クレジット:Busakorn Pongparnit / Getty Images

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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