Shopify特化型グロースプラットフォームを展開するStoreHeroは6月21日、5000万円の資金調達を2021年5月に完了したと発表した。引受先はインキュベイトファンド。また、インキュベイトファンド共同代表のポール・マクナーニ(以下マクナーニ)氏がStoreHeroの取締役に就任した。調達した資金は、グロースデータアーキテクト、サーバサイドエンジニア、フロントエンドエンジニア、グロースコンサルタント、データアナリストなど、グロースプラットフォーム開発を担う人材の採用に活用する。
オンラインコマース市場では、Amazonや楽天などが市場シェアを占める一方で、「商品ページのカスタマイズが可能な範囲が限られるためブランディングが難しい」「獲得できる顧客データの質・量が限定されている」など、自社ブランディングや顧客とのコミュニケーションを行いたい出店者も散見される。コマースプラットフォームのShopify(ショッピファイ)は、こういったニーズに応えるものとしてグローバルで利用が増加している。
しかしStoreHeroによると、日本国内では、グロース人材や実装できるエンジニアの不足から、順調に成長できていないコマース事業者も存在しているそうだ。
2019年11月設立の同社は、「Grow the Friendships」のビジョンの下、コマース事業者向けに独自のグロースプラットフォームをベースとしたグロース支援サービスを提供しているという。具体的には、Amazonなどメガプラットフォーマーが持つ高度なデータ分析基盤やレコメンデーションの仕組みなどを、Shopifyを活用するコマース事業者が使えるようにしているとした。直近の1年間ではANNA SUIやPAUL&JOE、LADUREE、益子オンライン陶器市などを利用企業として挙げている。
今回取締役に就任するマクナーニ氏はマッキンゼー・アンド・カンパニーに18年間在籍し、シニアパートナーとしてアジア太平洋地域のマーケティング・アンド・セールスグループや小売・消費財グループの責任者を歴任。アジア全体の消費財・小売のトップ企業のデジタルとアナリティクスを活用した成長戦略に携わってきた人物だ。StoreHeroにマクナーニの経験を融合することで、グロースソリューションの進化とグローバル展開を加速するとしている。
関連記事
・heyが実店舗とネットショップの商品・在庫・売上データを自動で同期・一元管理できるPOSレジアプリ「STORES レジ」公開
・ショッピング体験の視覚化を進めるShopifyがARスタートアップPrimerを買収
・Shopifyが世界で共通するeコマース人材の育成プログラムを青山学院大学で提供
・Googleがオンラインショッピング拡大でShopifyと提携
・法政大学とShopifyが連携、2021年春講義の実習としてeコマース人材育成プログラムを学生約100名対象に提供