Slackがビデオツール「Clips」をリリースし、Salesforceとの16もの統合を発表

Slack(スラック)」は以前から、テキストベースのメッセージングのさらに先へ拡張することについて話してきていた。今週開催されているSalesforce(セールスフォース)のカスタマーカンファレンス「Dreamforce(ドリームフォース)」において、Slackは本日(米国時間9月21日)、人々が気軽に見ることができる短いビデオメッセージを送れる新機能「Clips(クリップス)」を発表した。

SlackのCEOであるStewart Butterfield(スチュワート・バターフィールド)氏は、「Clips」を、会議時間30分も必要としない同僚とのコミュニケーションの手段と考えている。その代わりに、短いビデオで近況を知らせることができる。「Clipsは、自分自身をスクリーン上に記録する方法です。多くの会議が、リアルタイムで一緒にいる必要はないはずです」と、昨日のDreamforceプレスイベントでバターフィールド氏は述べている。

バターフィールド氏は、「ビデオクリップは、情報を得るために実際に会議に参加しなくても、普段会議でシェアされていたような情報を得ることができるので、一層価値があります」と付け加えた。さらに、このビデオは、アーカイブのために活動の監査証跡を作成するという。

「出席していない人でも、最新情報を簡単に共有することができます。アーカイブに保存されているので、過去にさかのぼって質問の答えを探したり、意思決定に至った背景を辿ったりすることもできます」と述べている。注目すべきは、Slackがこのアイデアを最初に紹介したのは昨年10月で、昨年3月にアーリーカスタマーベータ版を発表したが、その時点ではまだ名前すらつけていなかったということだ。

有効に使うためには働き方を見直す必要があり、組織によってはそれが難しい場合もあると認めた上で、従業員がより少ないミーティングでより多くの仕事ができるようになるという価値提案が、最終的には人々や組織を動かし、いずれ働き方に取り入れられるようになると信じている。

Clipsは、今年初めにリリースされたHuddles(ハドル)というツールをベースにしている。Huddlesは、オーディオを介して、偶発的で気軽な会話を促すためのツールで、数分間だけ集まってその場で問題を解決し、仕事に戻ることができれば、一般的な会議の必要性を減らすことができる。バターフィールド氏は、Slackを立ち上げて以来、新しい機能の中でHuddlesが最も早く採用されたと語っている。

3月には、SignalFire(シグナルファイヤー)の投資家であるJosh Constine(ジョシュ・コンスティン)氏(元TechCrunchの記者でもある)とのClubhouse(クラブハウス)インタビューの中で、バターフィールド氏は、同社がビジネス向けのClubhouseツールにも取り組んでいると述べた。しかし今週、そのようなツールを発表することはなかった。

同社はまた、Salesforceプラットフォーム全体にまたがる16の統合を発表した。この中には、今月初めに発表された営業に特化したディールルームや、スウォームと呼ばれるカスタマーサポートのインシデント対応のほか、Mulesoft(ミュールソフト)やTableau(テーブル)を含むSalesforce製品群の他のツールとの新たな接続や、銀行、ライフサイエンス、フィランソロピー(慈善活動)などの業界に特化した統合などが含まれているという。

忘れてしまった方のために触れておくと、Salesforceは昨年末、約280億ドル(約3兆600億円)の巨額取引でSlackを買収した。現在はCRM大企業の一員として、買収前のプラットフォームとプロダクトロードマップを継続しながら、Salesforceプラットフォーム全体の統合を構築している。

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TechCrunch Japan

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