クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供するSmartHRは10月24日、飲食・小売業などの店舗向けに、従業員の入社手続きに必要な情報を収集できるiPad専用アプリを公開した。
SmartHRは、企業が行う社会保険・労働保険の手続きを自動化することを目指す、クラウド型の人事労務ソフトウェアだ。総務省が提供するAPIと連携し、役所への申請をウェブ上からできるようにする。労務手続きや労務管理を簡易化し、経営者や人事担当者の業務改善、本来注力すべき採用や制度作りに取り組めるようにするのがプロダクトの狙いだ。
SmartHRは、今日、資金調達の発表があった「One Tap BUY」と同じく、2015年11月に開催されたTechCrunch Tokyo 2015のスタートアップバトルに出場し、最優秀賞を獲得している。
その追加機能となるiPadアプリ「店舗管理者向けスマートHR」は、入社手続きに必要な情報を従業員自身が、店舗内などで共有されているiPadを使って入力することができる、というもの。
従来は人事労務担当者が入社する人へ、SmartHRから招待メールを送信し、従業員はPCやスマートフォンからログインして情報を入力する必要があった。
しかし、SmartHRの利用企業が1万7000社を超える規模になり、さまざまな業態のユーザー企業へも利用が広がっている。中でもアルバイトやパートスタッフの比率が多く、入退社が頻繁な飲食・小売業でも利用が拡大。そうした状況下で、PCやスマートフォンを持っていない人が入社した場合、従業員自身がSmartHRに情報を入力ができず、書類での煩雑な作業が残ってしまうという課題があった。
この課題を解消すべく開発されたのが、今回発表された店舗管理者向けスマートHRだ。
同アプリはSmartHRの既存利用企業は追加費用なしで使える(iPad端末の準備は必要)。
SmartHRでは、9月に開催したイベント「SmartHR Next 2018」で、外部サービスとの連携強化や拡張機能ストア公開など、プラットフォーム化構想を打ち出している。その際に「ガラケーしか持たない従業員が多い企業でもSmartHRが利用できるようなiPadアプリ」の提供についても触れられていた。
同社では「今後も多様なニーズに応えながら、必要なときに必要なアプリケーションををインストールして使えるSmartHRのプラットフォーム化を進める」としている。さらに同社代表取締役の宮田昇始氏のブログによれば、プラットフォーム化構想とは別に、新規事業をつくる予定もあるようだ。