Snapchat(スナップチャット)がTikTok(ティクトク)を狙っている。Snapchatは米国8月3日、ユーザーがスナップ(動画)に音楽を付けられるTikTok似の新機能のテストを開始すると発表した。トランプ政権がデータプライバシーの懸念から中国テック企業の禁止を検討しているためにTikTokユーザーは代わりのアプリを探していて、Snapchatは新機能でそうしたユーザーの一部を取り込めるかもしれない。
TikTokユーザーが代替アプリを確保するにつれByte(バイト)、Triller(トリラー)、Dubsmash(ダブスマッシュ)、Likee(ライキー)などのアプリがアプリストアのランキングで順位を上げている。Instagram(インスタグラム)もまたTikTokユーザーのニーズを満たすために音楽を取り込んだReelsという機能を立ち上げた。
Snapchatの場合、ユーザーはSnapが約束している「しっかりとした」音楽カタログから音楽を選び、ビデオを撮る前後に追加できる。これはWarner Music Group、Warner Chappell、Universal Music Publishing Group、NMPAパブリッシャー会員、Merlinなど音楽産業パートナーとの提携によるものだ。こうしたパートナーがSnapchatアプリでの音楽使用のライセンスを与える。
新しいスナップを音楽付きで受け取った人は、スワイプしてアルバム画像や曲のタイトル、アーティスト名を閲覧できる。そして「Play This Song」リンクも利用できる。クリックすると、スニペットではなくユーザーがSpotifyやApple Music、SoundCloudといったお気に入りのストリーミングプラットフォームで曲をフルに聴けるようにするLinkfireのウェブビューが開く。
これはTikTokとは異なる点だ。TikTokでは、ビデオクリップの「サウンド」リンクをクリックすると、同じ曲を使った他のビデオクリップを特集するページにジャンプするだけだ。しかし、人気のミュージッククリップを制作したアーティストにユーザーを完全につなげる機能がTikTokになくても、ユーザーはお気に入りのTikTokアーティストをストリーミングサービスで追跡していたため、TikTokのパワーはヒットを生み出し続けてきた。
ただSnapchatは、音楽機能でファンがアーティストや音楽とさらに深い関係を築くことができると話す。親しい友人向けのツールであることも影響力があり、強みだと語った。これは主に、若いユーザーが友達から友達へのレコメンデーションに価値を置くからだ。Snapchatは今では米国の13〜24才の90%にリーチしていて、この割合は Facebook、Instagram、そしてMessengerを合わせたよりも大きいとSnapchatは話す。13〜34才でも75%にリーチしている。TikTokは世界に多くのユーザーを抱えるが、Snapchatは公開されているデータをもとに、同社の米国人ユーザー数はTwitterとTikTokの合計よりも多いと主張する。
新機能に関連して、Snapchatの広報担当は「当社は絶えず音楽産業と関係を構築しており、アーティスト、レーベル、ソングライター、出版社、ストリーミングサービスなど音楽エコシステム全体が我々との提携に価値を見出せるようにしている」と述べた。
Snapchatは新機能を今秋、英語圏マーケットで展開するとしている。
画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch