NTTドコモ・ベンチャーズのインキュベーションプログラムである「ドコモ・イノベーションビレッジ」の第1期生であるプライムアゲイン。同社はこれまで写真の加工、アルバムアプリ「DecoAlbum」、Facebookで手書きのイラストを送信できるメッセージングアプリ「DrawChat」などを提供してきた。
プライムアゲイン代表取締役の阿部伸弘氏は、「スマートフォン時代のコミュニケーション領域サービス」提供に向けて、2010年に大学1年生で起業した。「留学先のカナダで、TiwtterやFacebookの普及を見ていた。そしてエジプト人の友人が『母国でソーシャルメディアを使った革命が起きた(アラブの春)』という話を聞いた。もともと政治家になりたかったが、それよりもコミュニケーションこそが世界を変えていけるのではいかと考えた」(阿部氏)。同社はこれまでNTTドコモ・ベンチャーズやEast Venturesなどからシードマネーを調達している。
そんな同社が6月2日に公開したのがiOS向けのコミュニケーションアプリ「winker」だ。winkerは、最大10秒の視聴で消えて二度と閲覧できない動画や写真をFacebookやTwitter、LINE上の友人に送付できるサービスだ。Twitterに関しては相互フォローしている友人間のみでメッセージの送信ができる。
プライムアゲインではwinkerについて「Snapchatライク」とうたっているのだが、動画撮影までの起動時間が多少早いくらいで(デモで比較を見せてもらった)、正直なところ機能としてはSnapchatとほぼ同じと言っていい。
だが1つだけ大きく違う点がある、それはFacebookやTwitter、LINEというほかのSNSのフレンドをそのまま持ち込むことができることだ。Snapchatの場合、連絡先として電話番号を登録している、かつアプリをインストールしているユーザーとしかコミュニケーションできない(もちろん招待もできるが)。「Snapchatを使ってみて分かるのは、実は友達が使っていなくて楽しめないということ。フレンドが多いからこそ消える動画や写真のおもしろさがある。友達を見つけやすいというのは重要な要素だ」(阿部氏)。
今後は国内に加えて、東南アジアでの普及に向けた施策をに取り組むという。