SnapchatにARとカメラを活用したコマース重視の新機能追加

Snap(スナップ)のパートナーサミットでは、数々の開発者向けツールやARクリエーター向けソフトウェア「Lens Studio(レンズ・スタジオ)」のアップデートが発表された。その中には、同社の「Snapchat(スナップチャット)」を使ったショッピング体験をより深める機能も含まれている。

中でも最もクールなアップデートの1つが、ユーザーのカメラを通して見たコンテンツを分析して、関連情報をすばやく表示するコンピュータビジョン「Scan」の新機能だ。月に約1億7千万人のユーザーに利用されているというScanは、アプリのカメラセクション内のより目立つ場所に配置されるようになり「Screenshop(スクリーンショップ)」と呼ばれる機能が統合されたことにより、ショッピング用途の性能がさらに高まった。

例えばユーザーが「Snap Camera」を使って友人が着ている服をスキャンすると、何百ものブランドからオススメのショッピング情報がすぐに表示される。また、これと同じ技術を使って、キッチンにある食材の写真を撮影すると、その食材を使った料理のレシピが、Allrecipes(オールレシピ)のサイトから表示される機能の導入も予定されている。

これらの機能は、ユーザーが現在カメラで撮影しているものを解析し、それに基づくインテリジェントな提案を行うという広範な取り組みの一部だ。

画像クレジット:Snap

企業はSnapchat内で公開プロフィールを作成することができ、ユーザーは各企業が「Shop」機能を通じて提供する販売アイテムをはじめ、Lenses(レンズ)、Highlights(ハイライト)、 Stories(ストーリーズ)などを見ることができる。

拡張現実の面では、レンズをよりスマートに統合するAPIを提供し、企業向けソリューションを引き続き重視していく。小売業者は、Business Manager(ビジネス・マネージャー)と呼ばれる機能を使って製品カタログを統合し、ユーザーが現在在庫のある製品の試着レンズにのみアクセスできるようにすることが可能になる。

ラグジュアリーファッションの販売プラットフォームであるFarfetch(ファーフェッチ)やPrada(プラダ)とのパートナーシップにより、ARプラットフォームはさらなるアップデートが施され、3Dメッシュの先進技術を使ったバーチャルな服の試着は一層リアルになる。ユーザーは、音声コマンドやジェスチャーを使って、試着しているアイテムを切り替えることもできるようになる。

「当社のカメラプラットフォームの力によって、Snapchatユーザーと彼らが好感を持っている企業を、有意義な方法で結びつけることができるものと期待しています」と、SnapのグローバルARプロダクト責任者であるCarolina Arguelles Navas(キャロライナ・アーグエレス・ナヴァス)氏は述べている。「これまで以上に、私たちのコミュニティは、自宅で新製品を体験したり、試着したり、触れたり、学んだりすることができるでしょう」。

関連記事
SnapがARグラス「Spectacles」の新世代バージョンを発表
Snapが提携企業からの情報を2.5億人が利用するソーシャルマップに追加するLayersを導入
Snapが同社のARグラスに技術を提供するWaveOpticsを545億円以上で買収

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:SnapSnapchatAReコマース アプリコンピュータービジョン

画像クレジット:Snap

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。