実際SpaceXはFalcon 9ロケットの再利用でいくら節約できたのか?それほどでもないと思うかもしれない。なにしろ今回のSES-10の打ち上げは彼らにとって初めてのロケット再利用だったのだから。しかし、SpaceXのプレジデント、Gwynne ShotwellはSpace Symposiumカンファレンスで、昨年の宇宙ステーション補給ミッションCRS-8で使用したFalcon 9ロケットの再生コストは、新品を作るのと比べて「半分よりはるかに少なかった」と言った。
これには回収したロケットを運用可能な状態にするために必要な多大な作業も含まれているとShotwellは言った。Space Newsが報じた。つまり、今後もコスト削減は進ばかりだという意味だ。SpaceXは今回の再生作業に「将来行うときよりもはるかに多くの力を注いだ」からだとShotwellはカンファレンスで言った。
しかし、だからといって現在SpaceXが請求している打ち上げ料金が大きく下がるとは限らない(現在会社が公表している費用は約6200万ドル)。以前Elon Muskは、これまで再利用可能ロケットの開発にかかった費用について話したことがあり、個々の打ち上げコストが下がったとしても開発費用は回収する必要がある。
さらにShotwellは、SpaceXが打ち上げに使ったペイロードフェアリングの回収も試みていると語った。これはロケットが宇宙に送り出すもの(衛星、補給物資等)すべてを、発射の際に受ける力や空力加熱から保護するためのハウジングだ。SpaceXはSES-10の打ち上げで2つの部分からなるフェアリングの一部を回収することに成功し、状態も極めて良好だった。フェアリング一つに600万ドルの費用がかかるため、これを再利用することでさらに打ち上げ費用を下げることができる。
SpaceX CEO Elon Muskは打ち上げ成功の後、会社の次の目標は、同じロケットを再打ち上げするまでの時間を24時間以内にすることだと語った。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)