SpaceXが宇宙船スターシップのテスト飛行許可を米航空宇宙局から取得

SpaceX(スペースエックス)は、同社の宇宙船Starship(スターシップ)のプロトタイプによる低軌道ミッションの飛行許可を連邦航空宇宙局(FAA)から取得し、米国テキサス州ボカチカの同社施設からのテスト飛行への道を前進した。SpaceXはStarshipプロトタイプを使った低軌道短時間の限定テスト飛行の準備を懸命に進めており、米国時間5月28日も現在開発中の同宇宙船4次プロトタイプの地上燃焼テストを実施した。

FAAはSpaceXに対して、同社が言うところの「再利用可能打上げ機」ミッションの実施許可を正式に与えた。これは実質的にこのStarshipプロトタイプが、同社のボカチカ打上げ施設で離着陸可能となったことを意味している。Elon Musk(イーロン・マスク)氏率いる宇宙企業はすでに同様なテストを実施しているが、これまでは「Starhopper」(スターホッパー)の早期プロトタイプを使っていた。これは計画されているStarshipの生産モデルよりも小さくシンプルだ。目的はSpaceXがStarshipの推進に用いるRaptor(ラプター)エンジンの能力を証明することにあり、エンジンの1基を使って短期飛行テストを行うだけのため使用された。

昨年の飛行テスト以来、SpaceXはStarshipのフルスケールプロトタイプを複数開発してきたが、実際に飛ばすところまでは至っていない。事実、いくつかのStarshipプロトタイプは耐圧試験に失敗している。しかし現在テスト飛行を準備しているSN4は耐圧試験だけでなく、Raptorエンジン1基による地上燃焼試験にも合格した。

現在の計画では、このプロトタイプをStarhopperの時と同様の「短期」飛行させる予定であり、最大高度は約500フィート(150m)だ。それに成功すれば、次のバージョンには複数のRaptorエンジンを搭載して高高度のテスト打上げを行う。SpaceXは、新しいバージョンのStarshipを次々と前のテストが完了するのを待たずに製作していて、全体の開発期間を短縮しようとしている。

SpaceXはある時間とも戦っている。同社はNASAが再び月へ人間を送り込むための着陸船を開発・製造するアルテミスプログラムの契約を勝ち取った3社に入っている。NASAはこの復活の旅を2024年までに実行しようとしており、契約ではそれぞれの会社がその時期までに着陸船を用意することを要求してはいないが、最終目標であることは間違いない。たとえそれが契約している3社の中で自慢する権利を得るためだけだとしても。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook