SpaceXが次世代宇宙船開発で小休止、推進システムのテスト機StarHopperの実験失敗

SpaceX(スペースX)は、次世代宇宙船のStarshipの開発にあたり、つまづきをみせている。具体的には、Starthipの推進システムの開発に使用する小型デモテスト機のStarHopperが、テキサスのボカ・チカ・ビーチのテストサイトで実施された地面への係留なしのテスト飛行に失敗したのだ。

計画では、独自の誘導システムによる推進により、デモ機を離陸させて高度20mまで飛行させ、地上へと着陸させる。しかし実際には、ロケットは出火し煙に包まれ、消火される数分前までテスト機は上部から火を吹いていたようだ。ただし、StarHopperは比較的損傷が少ないように見えた。我々はSpaceXからの正式な回答を待っているが、彼らはテストの配信にて「中止」(Abort)であることを強調していた。

先週のスタティック・ファイア・テストにて、StarHopperは火球に包まれた。これは計画されたイベントではないが、SpaceXは後に大きな損傷はなかったと伝えた。

StarHopperは今年4月に係留状態での最初の飛行に成功し、その後は係留なしでの飛行に備えてさらなるテストを実施している。SpaceXでCEOを務めるイーロン・マスク氏は今月、係留なしでのテストが成功すれば、7月末にSpaceXの宇宙船「Starship」の計画を完全に披露する予定だとしていたが、その後のテストでいくつかの問題に直面している。

SpaceXや他の会社がこのようなテストを行う理由は、開発プロセスの早い段階で潜在的な問題を特定するためなので、それが一般的な係留なしでの飛行という「成功」でなくとも、前進していることは間違いない。

SpaceXが設計したStarshipはFalcon 9やFalcon Heavyとは異なり完全に再使用が可能な機体なので、打ち上げ費用を削減できる。同社は最終的にはStarshipをすべての打ち上げに使うつもりだが、顧客がFalcon 9やFalcon Heavyでの打ち上げを望む場合は、それを受け入れる予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter