SpaceXがStarlink衛星インターネットを60機追加打ち上げ

SpaceX(スペースX)は追加で60機のStarlink衛星を打ち上げた。これは衛星ブロードバンドにおける4回目の打ち上げで、今年だけでも2回目となった。打ち上げは米国フロリダのケープ・カナベラル空軍基地から米国東部標準時1月29日の9時06分(日本時間同日23時6分)に実施され、ブースターは2019年にSpaceXの2回のミッションで使用されたものだ。

さらに同社は、ペイロードがロケットの第2段から分離された後、Falcon 9のブースターを大西洋のドローン船に着陸させて再び回収した。同社のブースターを回収する能力はかなり信頼性が高く、56回のすべての着陸のうち48回成功しており、最後の失敗は2018年12月だった。

Starlinkの衛星の配備は計画通りに進んでいるようで、現在SpaceXはStarlinkにて約240機の衛星を運用している。同社は1月初めに前回の衛星群を打ち上げた後、世界最大の民間衛星オペレーターとなり、今回さらにリードを広げたことになる。

衛星群の打ち上げは続けられており、SpaceXのCOOであるGwynne Shotwell(グウィン・ショットウェル)氏によると、今年中にも米国とカナダの顧客向けに衛星ブロードバンドサービスを開始する予定だという。また、今年末までに少なくともあと6回の衛星打ち上げを予定しており、合計24回の打ち上げにより、全世界でのサービスが提供される。

一方でSpaceXは、衛星コンステレーションが地球からの天体観測に与える影響について天文学者から批判されているが、それに関してStarlink衛星の地球側を暗く塗る処理の実験を含む、対策を講じていると述べている。本日同社は、前回打ち上げた前述のコーティングを施した試験衛星の結果を評価しており、結果を分析しアップデートを提供すると発表した。

十分な衛星数が確保されれば、Starlinkはこれまで高速インターネットにアクセスできなかった地域に、スムーズなビデオ通話とストリーミングを提供する。SpaceXによると、これは遠隔地だけでなくクルーズ船や飛行機も含まれるという。

今回の打ち上げでは、ロケットの打ち上げ時にペイロードを保護する2個のフェアリングの両方を回収する試みが行われた。これらはロケットが宇宙に到達すると地球に落下し、SpaceXは大きなネットを装備した「Ms.Tree」と「Ms.Chief」という2隻の専用船を用いて捕獲を試みた。パラシュートにより落下するフェアリングをキャッチすることで、同社は1回の打ち上げにつき600万ドル(約6億6000万円)を節約できる可能性があり、これはFalcon 9の第1段ブースターに加えて、さらに再利用可能なパーツを追加することになる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter