SpaceXがStarship次期プロトタイプ開発へ前進、燃料タンクが故障するまでのストレステストを完了

SpaceX(スペースX)は、Starshipの次期プロトタイプの開発に必要な重要なテストを完了した。米国テキサス州ボカ・チカにあるStarshipの開発施設で、燃料タンクが故障するまでのストレステストを実施したのだ。この試験は、同じタンクによる低圧力試験の直後に行われ、その結果破裂した溶接部が修正され、米国時間1月28日夕方の試験へとつながった。

同社はテキサス州にある同社の施設で、Starship宇宙船の第3プロトタイプの製造に取り組んでいる。同社でCEOを務めるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、「SN1」 と呼ばれるプロトタイプのStarshipは、現在の開発スケジュールによれば6月ごろに完成し、テストの準備が整うだろうと語っている。

同社が1月29日に完了したテストは、圧力タンクがどれくらいの圧力に耐えられるかを確認するためのものだ。マスク氏はTwitterにて、破裂前には最大圧力8.5バールを達成したと伝えた。これは、宇宙船の軌道飛行試験に必要な6バールの圧力定格を十分に超えているだけでなく、有人宇宙船に必要な8.5バールという数値に到達してる。

機体が損傷するまでのテストは、新しい宇宙船の開発にとって重要な要素だ。なぜなら、シミュレーションや理論だけでなく、実際の使用シナリオで必要となる宇宙船の現実的な限界が設定できるからだ。同社はタンクの圧力レベルを室温と超低温(宇宙空間で想定されるのに近い寒さ)の両方でテストし、マスク氏は超低温下にてスチール製のStarship機体の強度が高まると指摘している。

Starshipは外装にステンレス鋼が採用されており、マスク氏によるとこれはコストを削減すると同時に、優れた耐久性と再使用性を提供する。同社はStarshipでFalconシリーズのロケットを完全に置き換え、完全に再利用可能な宇宙船を提供する予定だ。これは大型のペイロード(あるいは火星行き)のためのSuper Heavyブースターと組み合わせることで、非常に大きな貨物を運ぶことや、あるいは異なる顧客からの小型のペイロードで構成される相乗りミッションも可能となる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter