Spotifyは今朝(米国時間8月15日)、小さな子どものいる家族向けサービスの変更について発表した。今回の変更で子ども向けカテゴリーに語彙や言語学習に焦点をあてた新たなプレイリストが追加され、さらに曲の間に挿入されたボイスオーバーが、一緒に音楽を聞いている親と子どもの交流を促進する。
同社によれば、子どもが生まれてから特に0〜3歳の期間に、(一緒に歌うことを含めて)音楽を聞かせることで、脳や言語機能の発達を促すことができる。Spotifyはこの考えに基いて「子どもと家族」セクションを一新し、特に乳児・幼児にフォーカスすることを決めた。
新しい子ども向けプレイリストは、寝るときやお風呂の時間、車での移動といった日常生活に関する内容を中心に作られている。しかし、Spotify上にあるその他の選びぬかれたプレイリストと異なるのは、親子間の会話の促進を狙って曲間に挿入された、台詞や会話のきっかけとなるようなものの存在だ。
例えば、「次はどんな曲がいいでしょうか?」と尋ねる台詞が再生され、それを聞いている親子に対して、寝る前に聞くようなゆったりして落ち着いた曲を一緒に選ぶよう勧めるのだ。その他にも、親子に間抜けなダンスを作らせたり、子どもがリズムに合わせてジャンプしたり、手を叩いたり、体をくねらせたり、足を踏み鳴らしたりするよう促す台詞が挿入されるかもしれない。また、赤ちゃん言葉の子どもと親の会話を促し、会話の最初のステップをとるよう提案するような台詞もあるかもしれない。
たくさんの有名人がボイスオーバーを担当しており、Spotifyの発表によれば、FantasiaやSarah Michelle Gellar、Wiz Khalifa、Tyler Perry、Juanes、Diego Torres、Frankie J、Laurie Berkner、Busy Philipps、Ashley Williamsなどが参加している。
また、準備されているプレイリストの内容も多岐に渡り、親が幼少期に聞いていたような「不朽の」名曲もあれば、Spotify上で他のリスナーに人気の最近の曲や、小さな子供だけでなく家庭で人気の曲も登録されている。
なお、ボイスオーバーとプレイリストは英語とスペイン語に対応している。
この新しい機能は、The Clinton FoundationとThe Opportunity Instituteの共同イニシアティブであるToo Small to Failに加え、Bezos Family FoundationのイニシアティブVroomより提供された研究結果に基いて、脳や言語機能の早期発達を促すために作られたとSpotifyは語る。Vroomは脳の発達に関する情報提供やプレイリスト内のアクティビティに関するアドバイスを行い、プレイリストの構築に携わった組織の名前は各プレイリストの情報内に記載されている。
さらに現在Spotifyは、Univision、the GRAMMY Museum、VH1 Save the Music Foundation、Fatherly、The Bump、Carnegie Hall、Gerber、ZERO TO THREEといった団体と協力しながら、継続的に子ども向けテーマ別プレイリストの作成にあたっている。
さらにSpotifyは、子ども向けカテゴリーのリニューアルを、同社にとって2つ目となる「社会貢献」イニシアティブに結びつけようとしている。イニシアティブの中でSpotifyは、Family Independence Initiativeとタッグを組み、プログラムのフィードバックを同社のネットワーク上の家族から集め、歌や音楽に関連したイベントを開催したい人に対して補助金を交付する予定だ。
「子どもと家族」セクションの改訂以外にも、Spotifyはユーザーベースの拡大に向けた取り組みの一環として、最近数多くの微調整や新機能の追加を行っていた。
例えば、今月Spotifyは初となるオリジナルビデオを発表した他、ゲームのサウンドトラックやその他の関連プレイリストを備えた新たなゲームセクションを追加していた。しかし、子ども向けセクションの一新で、Spotifyはより直接的にApple Musicに対抗しようとしている。というのも、SpotifyはAppleの「Frozen Radio」や「Lullabies」のように家族で楽しめるプレイリストを用意するだけではなく、子どもの早期学習に関連したコンテンツを提供しようとしているのだ。
新しい「子どもと家族」セクションにはspotify.com/singからアクセスできる。
[原文へ]
(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)