昨年ベータ版が公開されたSpotify Liteアプリが、アジア、ラテンアメリカ、中東、アフリカの36カ国で正式版としてリリースされた。日本は対象となっていない。
Liteアプリはインターネット接続が不安定、あるいは遅くても動作するように作られている。アプリ自体はわずか10MBで、古いデバイスやストレージ容量が少ないローエンドのデバイスでも使える。Spotify LiteはAndroid 4.3以降のデバイスで動作し、有料ユーザーも無料ユーザーも利用できる。契約プランの容量の上限が気になるユーザー向けに、月内の上限をあらかじめ設定し、その通信量に近づくと通知するオプションもある。
Lite版でも通常のアプリの90%の機能は使えるという。ビデオなどいくつかの機能は楽しみ方の基本的な部分には大きな影響を与えないとして省略されている。
広報担当者はTechCrunchに対し、現時点ではiOSのLite版をリリースする計画はないと述べた。制限のあるLite版から恩恵を受けるのはAndroidユーザーが多いとみられるため、これは合理的な方針だろう。
インドは重要な市場のようだ。Spotifyはインドで2月にすべてのサービスが提供開始となり、その後、6月にLite版を公開した。
Lite版の大きな目的は、新興市場や古い機種を使っているユーザーを狙い、現在のユーザーベースを広げていくことだ。Spotifyは、現在2億1700万人のユーザーがいて、そのうち1億人が有料ユーザーだとしている。これに対しApple Musicのユーザー数は6月に6千万人を超えた。
Google Play Storeのデータを見ると、Spotify Liteは100万回以上ダウンロードされている。Lite版がSpotifyのサービスの新たなエントリーポイントであることが知れ渡れば、この数は急上昇することが予想される。
Lite版のアプリは、Facebook、Facebook Messenger、YouTubeなどのサービスでも人気だ。特に新興市場では通信速度が不安定でローエンドのデバイスが多く使われているので、需要が高い。
画像:BRYAN R. SMITH/AFP / Getty Images
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(翻訳:Kaori Koyama)