今日(米国時間2/23)、音楽ストリーミングのSpotifyはブログ記事でGooogleと提携したと発表した。これにより、SpotifyはサービスのインフラストラクチャーとしてGoogle Cloud Platformを採用した。
これまでSpotifyは複数のデータセンターで各種ベンダーのハードウェアを利用して配信を行ってきた(データセンターにはAWSが含まれており、AWSブログでケーススタディーとして紹介されている)。しかしSpotifyはクラウド・プラッフォームが成熟段階に達し、全面的にアウトソースするに足る信頼性を獲得したと考えたようだ。
Spotifyは「われわれにとってGoogleのような市場のリーダーと組んで仕事をすることは一大事件」だと述べている。しかし逆にGoogleにとっても、Spotifyのようなこの分野のリーダーのサービスに全面的にホスティングを任されたことは「一大事件」だろう。Spotifyは全面的なクラウド化にあたってAWSの利用を拡大することもできたし、MicrosoftのAzureクラウドをプラットフォームに選ぶこともできたはずだ。
しかしSpotifyはダイアン・グリーンの指揮するGoogleのエンタープライズ・クラウドを選んだ。Googleクラウド・チームは去年の11月にマウンテンビューに買収されるまでは Greneが創業したBebopというスタートアップだった。
こうした買収では Googleは創業チームには十分な報酬を与えて別離を促すのが通例だ。しかしグリーンを新事業部のトップに据えたのは、Googleとしては彼女の能力に対する全面的な称賛に等しいといってよいだろう。Spotifyはこの提携について「極めて競争の激しいジャンルであり、予見しうる将来にわたってビッグ・プレイヤーによる戦いが続けられるだろう」と書いている。私はこの部分をだからいつでも提携先を乗り換えることができる」という意味に読んだが、そう取ったのは私だけかもしれない。
いずれにせよ、これでSpotifyのインフラ部門は巨大なストリーミング・サービスの運営という重荷を下ろすことができたのは間違いない。
〔日本版〕リンク先TechCrunch記事にもあるようにダイアン・グリーンはVMWareの共同ファウンダー、CEOであり、仮想化テクノロジーの普及に大きな功績があった。シリコンバレーの伝説的人物で2012年からはGoogle(現在は親会社のAlphabet)の取締役を務めている。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)