Spotifyとジョー・ローガン氏が新型コロナ関連コンテンツへの反発に対応

米国時間1月31日、Spotify(スポティファイ)CEOのDaniel Ek(ダニエル・エック)氏は、ブログ投稿の中で、健康に関する誤った情報提供に関して高まっている論争に対応した。SpotifyがNeil Young(ニール・ヤング)氏とJoni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)氏の楽曲を、ポッドキャスト界の巨頭Joe Rogan(ジョー・ローガン)氏との契約へ抗議したことを受けて引き上げた後、同CEOは、Spotifyが「我々のコンテンツをより広く導くための方針に関して、透明性に欠けていた」と認めたのだ。

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エック氏は、Spotifyが、特に新型コロナについての議論を特集したPodcastエピソードにコンテンツアドバイザリを追加するために取り組んでいることを付け加えた。このアドバイザリーは、BBC、ABC、CNNなどのニュースエピソードや、Anthony Fauci(アンソニー・ファウチ)氏や他の医療専門家のインタビューを掲載した「Covid-19 Hub」にリダイレクトされるようになっている。

「ここ数週間のフィードバックを受けて、私たちは、この前例のない時代を切り抜けるための案内をしてくれている、医学と科学のコミュニティから広く受け入れられている情報へのアクセスとバランスを提供する義務があることが明らかになりました」とエック氏は記している。「これらの問題は信じられないほど複雑です」。

昨晩投稿された10分近いInstagramの動画で、ローガン氏は同社の反応も含めてこの論争に対応している。ローガン氏は、自分の番組が誤解されていると考えており、自分がヤング氏のファンであり、自分の番組について「(ヤング氏とミッチェル氏が)そのように感じているのは非常に残念だ」と指摘している。ヤング氏とミッチェル氏の2人とも、有効なワクチンが開発される前の幼少期にポリオに感染している。

「もし、物議をかもした直後に、私がなにかできることがあったととすれば、異なる意見を持つ専門家をもっと登場させることでしょう」とローガン氏は動画の中で語っている。「確実にそれに対して前向きです。将来的には、これらのポッドキャストで異なる意見を持つ何人かの人々と話をしたいと思っています。見ていてください」と語っている。

彼は「スケジュール管理はすべて自分でやっていて、いつもうまくいくとは限らない」とも付け加えている。ローガン氏は、この番組の魅力は「ただの会話」であることだと説明し、一方で、科学的なコンセンサスがしばしば変化することにも言及している。動画の中では、2020年5月に1億ドル(約115億2000万円)といわれる独占契約を結んだSpotifyに対して、より直接的な謝罪の言葉を述べている。「今回支えてくれたSpotifyに感謝したい。彼らにこのようなことが起きていること、そして彼らがこのことで多くの注目を浴びてしまっていることを非常に残念に思う」。と彼は動画の中で語っている。

2週間前、270人の医学専門家が署名した書簡は、同音楽ストリーミングプラットフォームが「主催するメディアが科学研究に対する国民の信頼を損ない、医療専門家が提供するデータに基づく指導の信頼性に疑念を抱かせる」と非難している。この書簡は特にRobert Malone(ロバート・マローン)博士の最近のインタビューを引用しているが、これは「Spotifyのプラットフォームで発生した違反行為だけではなく、同プラットフォームがこれによって引き起こされている損害を軽減することを怠っていることに関連した例」であると指摘している。

「私は自分たちの方針、開発に情報を吹き込む研究と専門知識、そしてライン内で、幅広い議論と討論を可能にするような方法で、それらを適用する私たちの熱意を信頼しています」とエック氏は書いている。「私たちはこのことを真剣に受け止め、クリエイターとリスナーのために、専門家と提携し、私たちのプラットフォームの機能と製品機能に多大な投資を続けていくつもりです。だからといって、いつもうまくいくとは限りませんが、私たちは学び、成長し、進化することを約束します」と書いている。

この投稿では、Joe Rogan Experienceやその番組ホストについて具体的に言及できていない。また、同社はここ数週間の騒動でどれだけのユーザーがアカウントを取り消したかを明らかにしていない。この番組は以前、反トランスジェンダーとみなされる内容で非難を浴び、Spotify社内の反発を招いたことがあった。

画像クレジット:Antoine Antoniol / Contributor

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(文:Brian Heater、翻訳:Akihito Mizukoshi)

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TechCrunch Japan

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