特殊なクレジットカード読み取り器(“カードリーダー”)を使って携帯からの支払サービスを提供するSquareが、日本でのサービス提供開始を発表した。北米以外の国としては初めての海外進出である。日本ではiPhoneの人気が高いので、Squareの進出がふさわしいとも言える。同サービスは最初iOS上でローンチし、その後Androidでも使えるようになった経緯を持つ。
ただし日本はモバイルの支払サービスがNTT docomoやKDDIなどの手により、すでに広く厚く普及している市場なので、Squareが楽勝とは行かない。Squareの最大のライバルであるPayPalも、モバイル事業者のSoftbankなどをパートナーとして、すでに日本に定着している。この市場でSquareに商機があるとすればそれは、Jack Dorseyの言うSquare美学だろう。Dorseyは、日本をアジアで最初の国として選んだのは、Squareのデザイン重視の姿勢がそうさせたのだ、と言っている。
“Squareをデザインとイノベーションと伝統の歴史のきわめて厚い国にご紹介できることを、誇りに思う。Squareは日本の歴史が持つ価値と同じ価値を共有し、製品のあらゆる細部にこだわっている”、とSquareのCEOで協同ファウンダのJack Dorseyは言っている。
SquareのiPhoneとのご縁も、日本では力になる。日本のスマートフォン市場では、Apple製品がいまだにAndroid製品に勝っているのだ。Kantarのデータによると、iPhoneのマーケットシェアは66%、対してAndroidは32%だ。
Squareはこれまで、海外進出に関しては慎重だった。同社はつねに、海外進出の具体的なスケジュールはない、と言っていた。これまでで唯一の“外国”といえば、昨年10月にローンチしたカナダだ。しかしそのときには、次はアジア進出だろうという憶測が各所でささやかれた。
グローバル化に関してはマイペースのSquareも、PayPalに対抗するための技術革新や新機能の導入には積極的だった。たとえば今週の初めには、支払をメールで送れるSquare Cash機能をベータでローンチした。また最近では、Googleの中小企業担当営業部長Francoise Brougherをスカウトして、彼女を企業顧客開拓部門のトップに据えた。彼女はSquareで、カスタマサポート、パートナーシップ、国際展開などを担当することになる。
Squareは日本進出に際して、Sumitomo Mitsui Card Corporation(SMCC)とパートナーした。同社は、日本にVisaを導入した企業だ。
Square Readerによって企業はモバイルデバイスからのクレジットカードによる支払を受け取ることができる。その使用料は、ユーザの支払額の3.25%である。
[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))