Squareの今月始めのいささか控え目なIPO価格は、いっそう控え目になった。
Squareは今日(米国時間11/18)同社のIPO株価を9ドルに決定し、評価額を26.6億ドルとした。最後に同社が資金調達した時の評価額は60億ドルで、今月始めには1株当たり11から13ドル、評価額41.9億ドルという数字を提示していた。
Squareは明日(11/19)上場する。言うまでもなく、これは同社にとって劇的な転換点だ。わずか1年と少し前、Squareは評価額60億ドルで1.5億ドルを調達した。投資家らは同社のIPO前にこの価値を半分以下に切り裂いた。会社の財務状態全般の弱さが理由と思われる。
Squareは、イヤホンジャックに差し込む簡単なカードリーダーとしてスタートを切り、中小ビジネス向けの販売管理・支払いサービスとして、先進的消費者ブランドとなるべく差別化を試みてきた。しかし、他の販売管理サービスからの増大する脅威に直面し、同社の消費者向けビジネスは事実上崩壊した。
そしてもちろん、Starbucksとの破滅的契約は同社の業績を妨げている。ほんの一例だが、Starbucksとの契約はSquareに2015年9月までの9ヵ月間に1.185億ドルの出費をもたらし、一方で売上はわずか9520万ドルだった。
10月末の最新のSEC提出資料でSquareは損失の拡大と売上成長の鈍化を報告しており、第3四半期のStarbucks取引費用は4100万ドルに上った。同社によると同四半期の純売上は3.32億ドルで、前年同期は純売上2.27億ドル、純損失3770万ドルだった。資料にはVinod Khoslaが取締役を辞任したことも書かれている。
Squareは、間違いなく資金を調達する必要がある ― IPOに必要な他の様々な物事も。同社は8期連続で純損失を計上している。Starbucksとの取引による未だに収まらない痛みは同社の業績に悪影響を与え続けている。前四半期にStarbucks取引が要した出費は約4100万ドルだった。
「彼らにはまだ証明すべきことが数多くあると思っている。彼らの前に課題が迫っていることは間違いない」とShopkeepのCEO Norm Merritは言った。「まだ彼らは確立された収益モデルを持っていない。ビジネスに関するかなり劇的な未解決問題がいくつもある。会社の利益率は想像されているよりずっと低い」
更新された申請書は、同社が最後に収支の詳細を報告したわずか数週間後に提出されたが、その意味は重大だ。これはSquareがついに上場を果たした後に直面する課題の兆候だ。Squareの株価 ― 以前の評価よりも低い ― は後期段階スタートアップで数多く起きている評価引き下げの一例だ。Fidelityも最近Snapchat投資の評価損を計上しており、BlackRockもDropbox投資の評価を引き下げた。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook)