Squireは理髪店にUberの利便性をもたらす

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先週Y CombinatorのSummer ’16 Demo Dayでお披露目されたSquireは、理髪店のためのソフトウェアを提供している。サロンでもなければビューティーパーラーでもなく、他のどんな場所でもなくて…ただの理髪店向けなのだ。

それでは、その独自のソフトウェアプラットフォームに存在理由を与えられるほどに、理髪店のどんな点がユニークなのだろうか?いくつかの点が挙げられる。

まず、ほとんどの顧客は、理髪店の予約は髪を切る当日に行う。サロンのように何週間も前にではない。さらに、多くの理髪店はその席を、独立した事業主としての理髪師に貸している ‐ これが典型的なサロンに比べて、バックエンドの仕組みを少し変わったものにしている。

さらに理髪業界は、正確に言えばニッチではない。メンズ整髪業界は今年、全体で200億ドル以上の規模になる、そして世界の理髪店は明らかにその巨大な一角を占めているのだ。

したがって、これらのユニークなユースケースをサポートし、その顧客が使う200億ドルの一部を掴むため、Squireは顧客と理髪店所有者のためのプラットフォームを構築したのだ。

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Squireの顧客向けアプリ

顧客対応プラットフォームは、ユーザーが近くの理髪店を見つけて、電話またはSMSの必要なしに予約をすることができるモバイルアプリとウェブサイトだ。それに加えて、キャッシュレスで理髪師に料金とチップを支払うことができる。ヘアカットの予約(とその支払い)を、まるでUberのように簡単にできるので、顧客はそれを喜ぶし、普通は立ち寄らないような新しいお客さんを連れて来てくれるので、店側も嬉しいのだ。

理髪店管理のためのバックエンドのプラットフォームは、もう少し複雑だ。これは、顧客リレーションシップ、支払い、スケジュールなどを扱う – Squireによれば「どんなお店でも必要とされる全てのテクノロジーを」提供するのだ。

理髪店のような伝統的な産業にハイテクソリューションを持ち込むことは、通常は典型的な失敗のレシピである ‐ レストラン業界が辿ってきた10年に及ぶオーダーとデリバリーテクノロジーの適合の痛みを見るだけでそれはわかる。しかしSquireの共同創業者であるSonge LaRonとDave Salvantによれば、理髪店オーナーからの反応は、そうしたものとは全く逆のものであるそうだ。

2人はすぐに、理髪店オーナーたちはすでにテクノロジーが彼らの業界の利益向上を手助けしてくれることを理解していて、この全体テクノロジーに乗る準備ができていることを発見した。

さらに、オーナーたちは明らかに、顧客が望むものを与える必要があることを理解していた、そして間違いなく顧客はモバイルで予約や支払いができるようになることを望んでいたのだ。

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Squireの理髪店向け管理画面

Squireは現在、ニューヨークとサンフランシスコの100あまりの理髪店で採用されていて、来年には1000店舗を目指している。同社はまた、まだ現金やカードで支払いたい人々にも満足して貰えるように、POSシステムを展開することを計画しいている。

興味深いことに、サービスは現在それを利用したい理髪店には無償で提供されている ‐ 要するに同社はなるべく多くの理髪店を巻き込みたいと考えているのだ、そしてその上で会計やマーケティングにチャージすることで収益を挙げようと考えている。顧客は現在1取引当たり1ドルを支払っているが、それはほとんど収益源としては機能していない。Squireの収入はできるだけ多くの理髪店に参加して貰い、徐々に新しいサービスを提供することによってもたらされるのだ。

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(翻訳:Sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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