サンフランシスコを拠点にするTally Technologiesは、クレジットカードの管理支援用アプリの立ち上げの為、1500万ドルの資金をシリーズAのラウンドで獲得した。このアプリはユーザーが良好なクレジットヒストリーを維持し、余計な手数料やペナルティーなどクレジットカードに付きものの忌々しい支出を回避する手助けをしてくれる。 Shasta VenturesがシリーズAのリードインベスターとなり、以前から参加しているCowboy VenturesとAITVの他、Silicon Valley Bankも出資している。
Tally CEOで共同設立者のJason Brownによると、Tallyはもう1年以上ステルスで操業しており、このアプリを使ったサービスのベータテストは既に3ヶ月ほど進行中ということだ。
Brownによると、Tallyのアプリの利用手順は以下の通りだ。ユーザーは自分のクレジットカードを全部Tallyに読み込み、簡単なクレジットスコアのチェック後、Tallyのクレジットラインから買い物の請求を支払うことを承認する。
「アメリカの成人のほとんどは個人のクレジットカードを複数枚所持しています」とBrownは言う。「一人平均3.7枚です」。そして、アメリカ中で、少なくとも10家庭のうち4家庭の割合でクレジットカード残高の繰り越しが行われており、遅延料と付随する利子を支払う羽目になっている。
8名で運営してるTallyは、遅延料や手数料の問題に取り組む一方で、クレジットカード会社が設定する平均的APRよりさらに低いAPRを提供する。仮にTallyの顧客が、そのクレジットラインを使って購入した代金の支払いを期限内に行わなかった場合、Tallyは自社のAPRに準じて収入を得る。しかしその場合でも、Tallyに支払う料金は、元々のクレジットカード会社に支払ったであろう料金よりも低くなることを保証するという。
これまで、Cowboy Venturesは200万ドルを集めたシードラウンドでリードインベスターを務めた。Cowboy VentureのAileen LeeとShasta Venturesの常務であるSean FlynnはTallyの取締役会のメンバーも務めている。Flynnは、TallyがシリーズAの資金を使って、サービスの認知を広めること、そしてアプリを段階的に展開し、ユーザーを獲得することに期待しているとした。
Tallyはクレジットラインを確保するために資本金を調達する必要がある。そのためにはTallyは自社の顧客の信用リスクが低いことを証明し、金融業界と良い関係を構築する必要がある。
Shastaは、社の方針としては、いわゆる新興系のピアーツーピア方式の貸付業態からは距離を置いている。ピアーツーピア方式はLending ClubやProsperが採用しているが、これらの会社は現在捜査を受けており、会社の成長は思わしくない。
Flynnによると、Tallyは他のノンバンク系金融サービス会社とは一線を画しているということだ。Tallyのサービスは人々の日常生活における利用を想定しており、大学に行ったり家を買ったりといった人生の一大イベントでローンを組むとき以外にも日常的な利用が見込まれる。
「複数のクレジットカードを使っていると様々な問題が起こり、その結果手数料やペナルティーが発生してしまいますし、一体どれから払ったら良いのかさえ分からなくなります」とFlynnは言った。「Tallyのアプリの恩恵を受ける人は沢山いるでしょう」。
しかしながらTallyは、(ピアーツーピア方式の)新興系スタートアップ企業が先に成功を収めたことからの恩恵も受けている、とBrownは言う。
「投資家たちはノンバンク系企業が貸付資産を新規創出することに違和感を感じなくなりました」とBrownは言った。「そして、そのおかげで金融機関はスタートアップたちとAPIや他の新しい技術やシステムを介して協働することにも慣れてきたのです。」
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(翻訳:Tsubouchi)