TikTokがソーシャルコマースに手を出し始めている。このショートビデオアプリは、一部のユーザーに対してプロフィールページにeコマースサイト(もしくは任意のサイト)へのリンクを許可し始めた。また視聴者たちへショッピングウェブサイトを簡単に送る機能の提供もクリエイターたちに対して始まった。
同社は、これらの2つの機能の展開は、ユーザーのアプリ体験を向上させるための通常の「実験」の一部であると述べている。ただし、この特定の実験は、収益性の高いインフルエンサーたちがTikTokを利用する方法を大幅に変える可能性がある。
TikTokを所有し、世界で最も評価額の高いスターアップのひとつであるByteDanceの広報担当者は「私たちは、ユーザーのみなさまのために、アプリ体験を向上させるための新しい方法を常に実験しています。最終的には、私たちは創造性を刺激し、喜びをもたらし、コミュニティに価値を付加する方法に焦点を当てているのです」と語っている。
これらの機能は、中国のインフルエンサーのためのスタートアップUplabの創業者であるファビアン・ベルン(Fabian Bern)氏によって、最初に発見されて共有された。木曜日に彼がツイートした動画の中で、ベルン氏は、クリエイターたちが視聴者たちにサードパーティのウェブサイトにアクセスできるようにすることが、初めて可能になったことを示した。
速報:TikTokが’link in bio’(プロフィール中のリンク)と動画中の’social commerce URLS’(動画中のコマースURL)を可能に。
ビデオでは、TikTokがユーザーにプロフィールページにURLを追加することを許可していることも確認できる。Instagramは昔からこの機能を提供しており、多数のアカウントがさまざまな理由でそれを利用している。インフルエンサーは通常、ファンを商店へと誘導するものだが、一部のニュース出版社はこの機能を使って、たとえば人びとをニュース記事に誘導している。ただし、Instagramで現在かけられている一連の制限には、多くの要望が寄せられている。
10億人以上のユーザーを抱えているTikTokが、これらの機能をこの先も提供し続けるなら、多くの業界人たちが「ソーシャルコマース」と呼ぶものに破壊的な変化が加わる可能性がある。最近のソーシャルメディア企業とメッセージングアプリは、コアサービスを通じて顧客を引き付け、ショッピング機能を提供している。
TikTokの最大の市場の1つである中国、東南アジア、インドなどの多くの市場では、ソーシャルコマースの人気が高まっており、Amazonなどの「従来型」eコマースプレイヤーたちに挑戦し始めている。
そして、大手企業たちはこの分野でチャンスをつかみ始めているのだ。市場を提供するFacebookは今年、インドのソーシャルコマーススタートアップであるMeeshoに資金提供を行った。
MeeshoはWhatsAppを使って買い手と売り手をつないでいる。その他のソーシャルメディアプラットフォームも、商品を展示して販売したり、さまざまな物流会社と協力して注文を処理したりできるようになってきている。
「これはすごいことです!」とNaspersのグローバル決済会社PayUのインド部門で、ビジネス成長とマーケティングの責任者を務めるNameet Potnis(ナミート・ポトニス)氏が、TikTokの新機能について語った。
「TikTokがInstagramを圧倒しているインドで、これがどのように商取引を変革するかを楽しみにしています。インド人がオンラインでの購入と支払いに慣れるにしたがって、地元のインフルエンサーたちが影響を強めることでしょう」。
TikTokのこの実験は、ライバルのInstagramがパブリックビューから「いいね」を隠すテストを拡張し始めたタイミングで始まった。このInstagramの動きは、そのリーチする力を広告主にいいねの数で提示しているインフルエンサーたちに懸念を引き起こしている。
TikTokはインドで1億8000万人以上のユーザーと国内で数千人のインフルエンサーを集めており、先月にはインドの教育分野にも進出した。
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(翻訳:sako)