TikTok(ティクトック)は米国時間4月6日、難聴あるいは耳が聞こえない人がアプリを利用しやすいようにする新たな機能の導入を発表した。自動キャプションだ。この新機能を立ち上げると、動画の話し言葉を自動で文字起こしを行い、視聴者は動画の音声を聴く代わりに読むことができる。さしあたって自動キャプションはアメリカ英語と日本語で提供され、今後数カ月以内に他の言語にも対応すると同社はいう。
自動キャプションを使うには、クリエイターは動画をアップロードあるいは撮影した後に編集ページでオプションを選択する。すると、動画が公開される前に間違いを修正するために生成されるテキストを編集することができる。
自動キャプションは主にアクセシビリティのためにデザインされているが、TikTokの動画を音声なしに視聴したい人の役にも立つ。たとえば邪魔をしたくない人が近くにいるが、ヘッドフォンがない場合などだ。また、動画内で話されている言語がよくわからない場合にも活用でき、話されている言葉が読めるようになることで内容を理解しやすくなる。
TikTokコミュニティの多くがすでに動画にテキストを加えたり、サードパーティーのサブタイトルツールを使ったりしてキャプショニングを行っている。スクリーンのテキストをSiriのような声で読み上げるテキスト音声化もクリエイターの間で人気のテクニックだ。
しかし自動キャプションツールは既存のオプションとは動作が異なる。というのも、視聴者がオンにしたりオフにしたりできるからだ。つまり、もしあなたが望まなければ動画のキャプションを見なくてもよいことを意味する。キャプションなしにするには、シェアパネルを開き、キャプションボタンをタップしてオフにする。
自動キャプションの立ち上げでTikTokは、クリエイターが簡単にそして自動的にキャプションを動画に加えられるツールをすでに提供しているYouTube、FacebookそしてInstagramといった他のソーシャルアプリの仲間入りする。
幅広いオーディエンスにアクセスできる動画制作を推進するための新しいツールがクリエイターコミュニティの間でクチコミで広がるように取り組むとTikTokは話す。
自動キャプションは、TikTokが立ち上げたいくつかのアクセシビリティ機能の1つだ。その他のものとしては、クリエイターが光過敏性てんかんを引き起こし得る動画を制作したときのクリエイターへの警告や、ユーザーが光に反応するコンテンツをスキップできるようにするフォトセンシティビティ機能がある。TikTokはまたテキスト音声化機能と、アニメーションサムネイルを静止画に置き換える機能も提供している。
TikTokは、耳が聞こえない人、そして耳が聞こえない人のコミュニティで行われている会話に対する意識を高めるためにThe Deaf Collective(聴覚障害者団体)と協力してきた。そして現在、改善すべき他のエリアがないか、アクセシビリティ評価を実施していると話している。
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カテゴリー:ネットサービス
タグ:TikTok、アクセシビリティ、文字起こし、聴覚
画像クレジット:Lionel Bonaventure / Getty Images
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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi)