TikTokに履歴書で求人に応募できるLinkedIn的な新パイロットプログラム

TikTok(ティックトック)が発表した新しいパイロットプログラムは、若者たちの動画ベースのソーシャルネットワークにささやかなLinkedIn(リンクトイン)的な機能を導入するものだ。

TikTokが、米国時間7月7日に呼びかけたのは、パイロットプログラムに参加するTarget(ターゲット)、Chipotle(チポトレ)、Shopify(ショッピファイ)、Meredith(メレディス)、NASCAR(ナスカー)、WWEなどの企業への応募に際して、動画による履歴書(レジュメ)を添えて応募することだ。応募者には、コンテンツにハッシュタグ#TikTokResumesをつけて、自分のスキルをクリエイティブにアピールすることを促す。

このパイロットプログラムは、TikTokによるブランドとクリエイターの関係をより洗練されたものにするための最新の取り組みであり、両者が同プラットフォームに時間と資金を投資する理由をさらに増やそうとするものだ。

TikTokのグローバルヘッドオブマーケティングのNick Tran(ニック・トラン)氏はこのパイロットプロジェクトに対して「#CareerTokはすでにプラットフォーム上で盛んなサブカルチャーですが、コミュニティがTikTok Resumes(ティックトック・レジュメ)をどのように受け入れ、採用と仕事の発見をどのように再構築してくれるかを見るのがとても楽しみです」と語っている。

この新しいパイロットプログラムについては、専用のハッシュタグや、応募のヒントやサンプル動画を掲載した独立サイトtiktokresumes.comで知ることができる。このサイトでは、誰でも雇用主別の求人情報を閲覧し、簡単なアンケートに答えて動画のリンクを添付することができる。そしてもちろん、好むと好まざるとにかかわらず、未来の雇用者に自分のLinkedInのプロフィールを紹介することは引き続き推奨されている。

TikTokはこの新しい試みを、同ブランドを宣伝するキャンパス内の代表者として学生を募集するカレッジアンバサダープログラムの「自然な延長」と考えている。今回のパイロットプログラムでは、7月31日までTikTok履歴書を受け付ける。

新しいサイトに掲載されている参加ブランドの中には、NASCARが販売員を募集していたり、Targetが夜勤を担当する時給制の倉庫作業員を募集していたりと、普通の仕事を募集しているものも少なくない(失業している人たちに対して、こうした普通の職種に応募するために、わざわざこんな応募手段を取らせるべきだろうか?)。

中には、All Recipes(オール・レシピ)で視聴者にふわふわビスケットの作り方を教える出演タレントを募集していたり、Popsugar(ポップシュガー)でスーパーバイジングソーシャルプロデューサーを募集していたりと、TikTokのスキルセットに見合った募集もある。

従来の履歴書は何年も変わってこなかった。これまで行ったことを1ページに書き出せというスタイルだ。しかし、ソーシャルメディアマネージャーやその他のコンテンツクリエイターを採用したいブランドは、TikTokの最新のクリエイターエコノミーの試みを利用するとよいだろう。

関連記事
・TikTokが動画の長さを最大60秒から3分に拡大
・TikTokが米国ユーザーの「顔写真や声紋」を含む生体情報の収集を表明

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TikTok求人履歴書

画像クレジット:AaronP/Bauer-Griffin/GC Images / Getty Images

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。