「ああ、またアプリか」というフレーズが頻繁に頭に浮かぶ一方で、「でも、世界をもっと良くしたいと思っているはず」という声も聞こえる今日この頃、TraffickCamは一陣の清風だ。
TraffickCapというアプリを作ったExchange Initiativeは、性的人身取引と戦う組織だ。
殆どの被害者は12~14歳のときに引き込まれている
この新しいアプリのゴールは、全米のホテル室内の写真をデータベース化し、警察が性的人身取引の場所を突き止め、犯罪者の使用する経路や方法を追跡する手助けをすることにある。アプリは、被害者や彼らを窮地に追い込んだ者たちを見つけるのにも役立つ。
iOSおよびAndroid用に作られたそのアプリは、いかなるデザインアワードを受ける可能性もなさそうだが、それは問題ではない。解決しようとしている問題はとてつもなく大きく、少しでも解決に役立つツールは、戦い続ける組織にとって大歓迎だ。
性的人身取引に戦いを挑む
性的人身取引は現代の奴隷制度であり、子供や大人を、意志に反して、金銭で性的行為に関わらせる。それだけでも許されないことだが、UNICEFの指摘によると問題は想像以上に大きい。アメリカ人では30万人以上、世界では120万人以上の子供たちが、毎年人身取引の被害にあっている。そしてさらに恐ろしいことに、ここで子供と呼んでいる被害者の殆どは12~14歳の間に引き込まれている。
アプリはクラウドソースによるデータ収集ツールで、犯人から押収したり、犯人らが共有していた写真を、既知の場所と比較するために用いられる。カーペットや家具、室内装飾品、窓からの景色などのパターンを分析することによって、アプリ作者によると、テスト結果では一致したホテルの上位20件が、85%の精度で識別できたという。
14万5000室の写真が集まっている
「警察は、被害者を取り戻し、容疑者を探し、犯罪の捜査するための、新しい革新的な方法を常に探している」と、セントルイス群警察巡査部長兼セントルイス群広域人身取引対策本部管理者のAdam Kavanaghは言った。
現在データベースには、米国主要都市のホテル14万5000室の写真150万枚が登録されている。写真は、スマホアプリTraffickCamの初期ユーザーが撮影したもの、および公開されているホテル客室の写真から成る。
あなたも協力できる
これは、旅行業界とそこに関わるスタートアップエコシステムが協力して問題に取り組む絶好の機会だと私は思っている。例えば、Room 77はホテル客室の巨大なVR画像ライブラリーを構築しているし、TravelocityやHotel Tonight、Foursquare、Tripadvisor等の会社も、自社ユーザーにチェックインしたホテルの写真を撮るよう薦めるのは簡単だろう。さあみんな、大きな宝の山を有効活用しようではないか。
アプリのアイデアが生まれたきっかけは、同組織があるホテルの部屋の写真を見たとき、どの町かはわかったが、どのモーテルで撮られたかを知る方法がなかったことだった。
「犯罪取締班に連絡をとり、その町の同僚も協力したが、少女を見つけるのに3日かかかった」とExchange InitaitiveのMolly Hackettは言った。「現代のテクノロジーを考えるとあまりにも長すぎる」。
よく旅するみなさんは、アプリをインストールして写真を登録しよう。犯罪の可能性を一つでも減らして、世界を良くする力になれるはずだ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)