TransferWiseが巨額$280Mの資金調達を発表、既存株の現金化もあり

国際送金サービスのTransferWiseは、ヨーロッパでは名の知られたユニコーンのひとつだが、本日(米国時間11/1)、シリーズEのラウンドによる2億8000万ドルの資金調達を発表した。ラウンドをリードしたのは資産管理企業Old Mutual Global InvestorsとシリコンバレーのVC企業IVPで、私の理解では一部の既存株の買い上げも含まれるため、額面全額が同社のバランスシートに載るわけではない。

TransferWiseは2017年の前半以来黒字だが、情報筋によると、この創業7年の企業の評価額は16億ドルだった。

このラウンドに参加した新しい投資家は、シリコンバレーのSapphire Ventures、日本の Mitsui & Co, Ltd(三井物産)、そして米日ベンチャー企業World Innovation Labだ。既存の投資家Richard Branson, Andreessen Horowitz, Baillie Giffordも参加し、同社のこれまでの総調達額は3億9700万ドルとなった。

同社は送金手数料に関する顧客への透明性で評判が良いけど、今回の資金調達の、新たな授権資本と二次的投資(既存株売却)の比率は公表していない。

Sky Newsの前からの報道では、ファウンダーのTaavet HinrikusとKristo Kaarmannなど、一部の社員も持ち株の一部を売ることができた。それとは別にSeedcampが最近、その二つのファンドをロンドンのVC Draper Espritに売ることの一環としてTransferWiseの持ち株の残りを現金化した。このプレシードとシード段階の投資家は、すでに1月に同社の少数株主としての持ち株を売っている。

こういう話を総合すると、TransferWiseの上場の可能性は、まだまだ先のようだ。

非常に稀(まれ)な休暇でペルーにいたCEOのHinrikusは、今回の投資に社員の持ち株売りが含まれることは事実だが、このきわめて大きなラウンドの本意は、TransferWiseのバランスシートを健全化して今および近未来の機会追求に備えるためだ、と述べた。

機会として大きいのは、とくにアジア太平洋地区を中心とするグローバルな拡張だ。すでに同社はシンガポールにハブがあり、同社のBorderlessアカウントのさらなる開発に注力している。

5月にローンチしたBorderlessアカウントは、複数の通貨および複数の国でビジネスをする企業や個人が、TransferWiseの安い手数料で国際間振替/送金をする仕組みだ。

TransferWiseの、デビットカードなど消費者バージョンは、2018年の早期にイギリスとヨーロッパでローンチする。それによってTransferWiseは、Revolutなどの新進フィンテックスタートアップや、数多い中小銀行(challenger banks)と比べて優位に立つだろう。

しかし、前にも述べたように、そのほかのフィンテックスタートアップたちも、安い手数料の銀行口座を提供したりしているから、必ずしも安泰な機能の差ではない。私がふざけ半分でRevolutと比較すると、 Hinrikusは“重要なのはフォーカスだ”、と答えた。つまり彼が強調するのは、TransferWiseのコアビジネスがあくまでも、お金を世界中で移動すること、すなわち国際的な送金サービスであることだ。

同社にとっては、送金のニーズがどこでどう発生しても関係ない。同社のインフラストラクチャの上でお金の移動が増えれば、それで良いのだ。それには、消費者であれ中小企業であれ、TransferWiseのアプリやサービスが使われてもよいし、それらがサードパーティに統合されていてもよい。また、同社のBorderlessアカウントが使われてもよい。これら三つのケースで、どの場合でも同社の売上が発生する、とHinrikusは語る。

競合する中小銀行(challenger banks)と同社を比較すると、TransferWiseのBorderlessアカウントでは、複数通貨の口座が同社の中核ビジネスである国際送金サービスの機能であるのに対し、小銀行の場合は送金や通貨交換(両替)が銀行口座(単一通貨の口座)の機能であることだ。前者(TransferWise)では、銀行口座そのものは無関係だ。しかしHinrikusは、最近では銀行ともパートナーしているし、またフィンテックスタートアップに対しても、すでにN26と、そしてもうじきStarlingとも提携する、と言ってこの単純な比較を否定した。

彼がさらに強調するのは、TransferWiseが消費者や企業が直接利用する国際的送金サービスであり、まだまだ課題は大きいし多い、ということ。今彼が熱中しているのは、インドへの進出だ。でも最近彼はブラジルへ行ったから、そっちが先かもしれない。

一方、最新の数字では、同社のイギリスでのマーケットシェアが10%で、Hinrikusによるとほかの国もそれに近づきつつある。同社の現在のユーザー数は200万あまり、通貨交換(両替)ルートは750種、そして各月の送金額は10億ポンドを超える

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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