Trust & Will、米国初のデジタル遺書を実現

誰しも死のことを考えるのは好きではない(特にスタートアップの創業者はそうだろう)。しかし、遺言や信託、資産計画は、あなたが最も気にかける人や団体にあなたの資産が引き継がれるようにするために必要不可欠だ。にもかかわらず、そのほとんどの手続きが、通常行うような他の法手続きよりもずいぶん書類に基づいたものとなっている。

しかしようやく、資産計画の業界で初となるデジタル案件が実現する。後見人や遺言、信託を準備するのを手伝うサンディエゴ拠点のスタートアップTrust & Willは、初のデジタル遺言をネバダ州の警官Cory McCormickのために実行しようと、ボストン拠点のNotarizeと提携を結んだ。ネバダ州は全米で唯一デジタル遺書を認めている州だが、法曹界はコンピューターを今後も用いることができるかどうか検討を加速させている。

Trust & Willはまた、RevolutionのRise of the Restシードファンドによる200万ドルの資金調達をクローズしたことも発表した。この資金調達にはTechStarsなどからのプレシード投資50万ドルも含まれる。このスタートアップはCody BarboがDaniel Goldstein、Brian Lambとともに設立した。

プロダクトの点でいうと、資産計画は消費者向けフィンテックを扱うほとんどのスタートアップが抱える同じ課題に直面している。それは、顧客を得るのに信じられないほどかなりのコストがかかるということだ。加えて、クレジットカードや予算管理と異なり、我々のほとんどがどのように死を迎えるつもりか毎日考えているわけではない。なので、Trust & Willは、人が資産についての計画を考え始めたまさにそのときに、彼らにアプローチしなければならない。

Barboと彼のチームがこれまで学んだことは、彼らのビジネスにとって新米の母親というのは一つの鍵となるということだ。子どもをもつことに伴う大きな課題の一つは、子どもの後見人を設定することだろう。遺言のような法手続きのほとんどは、もっぱら書類に基づいている。こうした状況を踏まえ、Trust & WillはGuardianという新プロダクトを立ち上げた。このプロダクトでは、親は39ドルで書類作業をオーダーできる。

Trust & Willのゴールは、法的後見人の役について親に考えてもらうことで、資産計画や相続について幅広く語られるようにすることだ。

Willingのような企業も含めて過去数年間、資産計画を扱うスタートアップが出てきたが、Barboが目指すところは、State Street やNorthern Trustのような既存の巨大信託財産運用会社と競うことだ。「我々はデジタル・ファーストの顧客をターゲットとしてマーケットシェアを取ろうとしている。現代的な信託銀行プラットフォームに変化させることができる」とBarboは語った。

委託管理と銀行業務においては、手数料はサービスに対してではなく、管理下の資産に対して発生する。Trust & Willは、全てをデジタルで処理し、そして手数料を見直すことで既存のサービスよりもかなり低い手数料でよいプロダクトを提供することができる、と考えている。

私は先週、非営利スタートアップの破産について少し取り上げた。そこでわかったことは、よくデザインされたプロダクトがなかったり、デジタル化されていなかったりと、開拓する余地がまだあるということだ。

Rise of the RestシードファンドとTechStarsに加え、Trust & WillにはWestern Technology Investment、Haolgen Ventures、Luma Launchそしてエンジェルも投資している。

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同僚Eric Eldonと私は、スタートアップの創設者や役員に、代理人についての経験を聞いて回っている。我々の目的は、この業界で影響力のある人を見つけ出し、どういったプラクティスがベストなのかの議論を巻起こすことだ。もし、あなたのスタートアップにとって素晴らしい仕事をしたと思う代理人がいたら、この短いGoogleフォーム調査を使って我々に知らせ、そして世界に広めて欲しい。我々は数週間のうちに結果を公表する。

随想(別名:私が読んでいるもの)

【重要なニュースの短いまとめと分析】

PalantirのCEO、シリコンバレーの反国防の姿勢について悪言を吐く

Palantirで長いことCEOを務めているAlex KarpはCNBCで反防衛のテック従業員を非難した。防衛産業に反対するベイエリアの人たちからの抗議で消えてしまった、Googleの国防総省との契約のようなプロジェクトに関して、非難を展開した。Palantirは明らかに国防の予算から多額を受け取っているので、この非難は驚くべきことではない。しかしKarpがいかに議論に火をつけたのかは興味深い。「それは敗者の姿勢だ。理解しやすいものではない。普通の人にとっては明瞭ではない。アカデミックには、持続可能ではない。したがって私は議論の対象になっていないことを嬉しく思う」。

一方、Wiredでは、David SamuelsがBig Tech = Big Brotherの論を展開し、ビッグデータが国家の安全装置と合体しているためにプライバシーの権利はすぐに死に体となる、と論じた。そうした状況はPalantirにとってはまったく大丈夫なのだろう。

Tencentはゲームを出せるようになったが、MicrosoftのBingは接続不能に

中国はBingへのアクセスをブロックしてMicrosoftを取り締まった。全くおかしな発表にもかかわらず(Bingが使えなくなっていると誰か気づいただろうか)、比較的さほど人気のない検索エンジンすらもはや北京の検閲から逃れられないというのが現実だ。一方で、待たされ続けたビデオゲームのライセンスについては、中国政府はTencentの2つの新たなビデオゲームを承認した。ライセンスの凍結でTencentの株価は急落し低迷していたが、このわずかな雪解けが株価を元に戻すことになるかもしれない。

Google、ハッカーと闘う

驚きではないと思うが、Google内の優秀なユニットは同社のシステムをターゲットとするハッカーと闘うために働いているという興味深い記事をWall Street Journalが掲載した。記事によると、27人で構成されるチームはGoogleとそのユーザーにとって脅威となるかもしれない200以上のハッカーグループを追跡し、ハッキングのテクニックや攻撃しようとしているグループの身元の手がかりを分析している。Googleの考えではこの行為は絶対的に理にかなっている。しかしアーリーステージのスタートアップはどうやって彼らのシステムを高度かつ絶え間ない脅威から守るのだろう。これはサイバーセキュリティの分野で私にとって非常に重要な未解決問題のままだ。

そして次は?

Armanと私は今も社会に影響をもたらすスタートアップにフォーカスしている。あなたのアイデアや考えや送ってほしい。

イメージクレジット: alengo (opens in a new window)/ Getty Images

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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