Twitterは昨年末、Twitter上での暴言や脅しなどの嫌がらせに対応するための仕組みの充実に乗り出した。そして今回、対策を一歩進めて、嫌がらせを受けた利用者が警察などの法執行機関に対応を依頼しやすくするためのツールを実装した。
新しい機能は「手軽に利用する」ものではない。また、Twitter上での操作により、直ちに警察に通報するようなものでもない。Twitterに嫌がらせ行為などについてレポートする場合に、オプションがひとつ追加されることとなったのだ。すなわち、Twitterに対する報告処理の最終画面に、報告書のコピーを受信するための仕組みが追加されたのだ。
報告書のコピーを受信することにすると、Twitterから嫌がらせツイートの本文およびURL、およびツイートした相手のユーザー名、発言された時刻などの情報がメールで送られてくる。このメールには被害を受けた側のアカウント情報も含まれる。Twitterからの公式アナウンスはこちらのブログにある。
送られてくるメールの末尾にはTwitterの「捜査当局向けガイドライン」へのリンクが記載されている。このページには非公開アカウントの情報をTwitterに請求する仕方なども記されている。
「暴力に訴える旨の脅しなどについても、厳格に対処したいと考えています。適切であると判断すれば、関連アカウントの停止措置などを行います。但し、身体に危害が及ぶ可能性などを感じるようなケースでは、警察などに通報することを強くおすすめします」と、Twitterは言っている。「Twitterは、脅迫行為に関連する情報をまとめたレポートをお渡しします。そのレポートを警察に提示することにより、的確なアクションを迅速に行えるようにと考えています」。
Twitterでは匿名アカウントも認められており、これまでにも暴言や脅しをなくすためのさまざまな行動がとられている。先にも触れた通り、12月にも対策が強化されている。その際には他の利用者をブロックする仕組みに改良が加えられたり、迷惑行為の報告に対するレスポンスタイムの短縮を行なっていた。
また2月には、いやがらせ常習者の電話番号を入手して対応を行うというプランも発表された。もちろん迷惑行為を行う側は、簡単に登録された電話番号と紐付いていないアカウントを新たに作ることができ、対策としては不十分なものではある。さらに新規アカウントの登録時、電話番号の入力は必須ともなっていない。ただ、これらの方針について、今月頭くらいから対策の強化が行われているようではある。たとえば、匿名ブラウザであるTorの利用者に対してはアカウント作成時に電話番号入力う必須にするというようなこともあったらしい(Twitterによると、必ずしもこれは事実ではないらしい。Twitterとしては、さまざまな情報から判断して利用者の振る舞いがスパマー風であると判断した際に、電話番号の入力を必須としてもとめていたとのこと)。
Twitterはずっと迷惑行為に悩まされてきた。CEOのDick Costoloも、この件が成長の障害になっているという認識を示している。年初にリークされた内部メールでもCostoloは「Twitterは迷惑行為に対して適切に行動できておらず、しかもこれまでずっとそうだった」というようなことを発言している。「我々の対応力不足については世界中の人が指摘している。おかげで迷惑行為を受けた利用者がつぎつぎにTwitterを去るという事態になってしまった」と言っていた。
Twitterの迷惑行為に対する対応は、つい最近まで後手に回ることが多かったといって良いだろう。しかし有名人が被害を受けることで広く話題にのぼることともなり、Twitter側の対応が加速したようだ。たとえば#gamergate問題もあったし、ロビン・ウィリアムスの死後、氏の娘に対する嫌がらせ行為がはびこったこともあった。
Twitterによれば、メールによるレポート受信オプションは、全ユーザーに対して徐々に適用していくとのことだ。
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(翻訳:Maeda, H)