今日(米国時間2/10)、Twitterは2015年第4四半期の決算を発表した。Twitterの上場以來、おそらくもっとも重要な四半期だったが、手短かに要約すればTwitterは手ひどく転倒した。
アナリストはTwitterのMAU(月間アクティブ・ユーザー数)が大きく伸びることを予測していなかったが、それと比べても低い成長にとどまった。前四半期、TwitterのMAUは3億2000万で、今期もほぼ同じだった。同社によれば、SMS経由のフォロワーを除いたMAUはわずかに減少している。事実、前期が3億700万、今期が3億500万だった。ただし同社は決算発表で「Q4のMAUは減少傾向だったが、1月の数字はQ3のレベルをすでに回復している」と強調した。
Twitterの発表した1株あたり利益(EPS)は0.16ドル、売上は7億1000万ドルだった。アナリストの予測はそれぞれ0.12ドル、7億1000万ドルだった。決算発表後、株価は最大13%ダウンし、13.75ドルの新安値を記録した。
これはTwitterにとって大きな打撃だ。昨年から株価は下落を続けており、70%近く落ちている。ログインするユーザー数がはかばかしく増えないことに対して投資家は繰り返し厳しい意思表示をしてきた。高い株価はTwitterの長期的成長とそれに並行する収益の拡大に対する投資家の期待を織り込んだものだ。投資家の期待に沿えなければ大会社として株式の公開を続けることは不可能になる。
今日の取引時間内でTwitter株は4%ほど戻して15ドルをつけたが、過去の高値は53ドルだった。つまりTwitterの時価総額はすでに何百億ドルも蒸発していることになる。
ディック・カストロがCEOを降り、共同ファウンダーのジャック・ドーシーが復帰したときにはまだ「プロダクトを作った人間が責任者に戻ってきたのだから」という楽観的な見方が残っていた。ドーシーがCEOとなり、「お気に入り」をカラフルな「いいね」に変更するなど懸命にアップデートを重ねても、状況は大きく改善しなかった。ドーシーが第2四半期の決算で述べたように「われわれは売上高については好成績を記録しているが、ユーザーの拡大に関しては満足していない」という状況が続いた。
Twitterは昨年10月に写真共有アプリのMomentsをリリースした。しかし効果があるとしてもそれが現れるのはしばらく先になりそうだった。MomentsはTwitterをビジュアルに活気づけたものの、メインストリームのユーザーを大量に惹きつけるという望んでいたような成果は得られなかった。Twitterは誕生以来10年感つきまとっている(そして活用しなければならない)枠組みから抜け出せなかった。つまりTwitterはニュース・マニアとセレブにとって理想的なメディアだが、ソーシャルな共有をするならFacebookだ、というものだ。
株価が急落するにつれて社内の士気も下がった。Twitterのような企業の社員は報酬の大きな部分がストック・オプションで支払われ、その価値は時価総額と共に増減する。ドーシーが復帰して以後のTwitterのような株価暴落があると、社員は〔換金できない〕大量のストック・オプションを抱えたままその価値が蒸発するのを見ていなければならない。
そういうわけで、Twitterが今日、新しいユーザー・インターフェイスをテストし始めたのは偶然ではない。この新しいタイムラインでは従来のようにツイートが投稿時刻の順序で表示されるのではなく、「Twitterのお勧め」投稿がトップに固定表示される。これは一見したところ、従来の「見逃していたかもしれない重要なツイートを再掲する」機能のアップデートらしく見える。しかしBuzzFeedの記事などを見ると、Twitterがコア・サービスを変えてきたことに対してユーザーが激しく反論していることが分かる。
さいわいなことに、ユーザーにとって役立つ機能もアップデートに含まれていた。ツイート表示に導入されたアルゴリズムはユーザーにとって関心がある可能性の高いツイートをフィードのトップに表示するのに効果があった。同時にTwitterはこのアルゴリズムによって広告を効率よく表示することができ、パフォーマンスと、最終的には広告価格の向上を狙える。また同社はファースト・ビューというビデオ広告をタイムラインのトップに表示することも発表した。これはフィードへのアルゴリズムの導入よりはるかに目障りだが、これほど目立つ位置であれば非常に高い広告料金を設定できるはずだ。
こうしたアップデートは新しいユーザーにも、ときおりツイートを眺める程度のカジュアル・ユーザーにもTwitterをさらに馴染みやすく、使いやすくすして成長を加速しようとする試みだ。しかし現状の問題点がこれですべてなくなるとは思えない。Twitterはユーザー数は現状では完全な頭打ちだ。Twitterは画期的なユーザー増加を図る方法を発見する必要に迫られている。
画像: Vdovichenko Denis/Shutterstock
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)