11月中旬にTwitter(ツイッター)は、オーディオSNSであるClubhouseのライバルとなるAudio Spacesのテストをまもなく始めると発表した(未訳記事)。Audio Spacesは、ツイッターユーザーが専用のスペースに集まって他の人とライブで会話をするプロダクトだ。同社は発表時にこのプロダクトのスクリーンショットを何点か公開したが、動作の仕様はほとんど明らかにしなかった。ここにきてリバースエンジニアのJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏(Twitter投稿)がAudio Spacesの機能をもう少し詳しく探り、公表した(Twitter投稿)。
ウォン氏はツイッターアプリのプライベートベータ版を使って、Audio Spacesの動作や機能のスクリーンショットを撮った。もちろん、同氏が明らかにした機能は正式に公開される前に変更される可能性があるが、ツイッターが現時点でこのプロダクトをどう考えているかがうかがえる。
Twitter is internally testing Audio Spaces Beta, here’s another look:
– Uses Periscope as backend
– Reactions:
– “Who can speak” can be adjusted in the middle
– Transcriptions available
– Spaces can be reported
– “Share feedback” sends DM to @TwitterSpaces pic.twitter.com/hbyiJuEWw5
— Jane Manchun Wong (@wongmjane) November 28, 2020
スクリーンショットを見ると、現在ツイートで利用できるのと同じような会話のコントロール機能(未訳記事)をAudio Spacesでも利用できるようだ。ユーザーはスペースを参加したい人全員に公開したり、フォローしている人のみ、あるいは招待した特定の人のみに限定したりすることができる。
ユーザーが自分のスペースに他の人を招待する方法はいくつかある。ダイレクトメッセージやツイートの投稿の他、リンクをコピーしてさまざまなところで共有することもできる。
スペースに参加するときは、ノイズを防ぐためにマイクが無効になる。会話の進行に応じて、参加者は「100点」や手のひら、こぶし、Vサイン、手を振るサインなどの絵文字で反応できる。
スペースを設けた人は、発言できる人をいつでも変更可能だ。アプリ内のメニューから話者の管理、その他の設定、ルールの閲覧ができ、さらにフィードバックを共有したりスペースを報告する機能もある。
このメニューを見ると、Audio Spacesにチャットの文字起こしが含まれていることに目が行く。これは他のオーディオチャットルームサービスとの差別化になる機能だ。表向きはアクセシビリティのための機能だが、きちんとした礼儀正しい会話の実現にも役立つはずだ。ユーザーは自分の話した言葉が書き留められていると意識するからだ。
文字起こしは、プライベートチャットルームモデルにつきものの問題を解決することになるかもしれない。プライベートチャットでのライブの会話で節度を守るのは難しいという問題だ。たとえばClubhouseは招待制のベータ版だが、それにもかかわらず節度を欠く問題がすでにいろいろ発生している。ニューヨークタイムズの記者が受けたハラスメントに関する問題(THE VERGE記事)や、反ユダヤ主義が話し合われたこと(THE VERGE記事)などだ。
長年プラットフォームの乱用と格闘しているツイッターが、オンラインでのソーシャル活動として音声という実証されていない新しい形式を使うテストに適した場かどうか、疑問があった。
ツイッターがオーディオチャットルームの節度をどう守ろうとするかは明らかでなかったが、文字起こし機能は有害な発言を抑止するかもしれない。またアプリ内のレポート機能も、そうした問題をもっと直接的に解決する手段になるだろう。ユーザーが「このスペースを報告」を選択すると、自傷、暴力、性的な内容、子供の安全、個人情報、虐待行為などのカテゴリーに関して報告をすることができる。
Audio Spacesはプライベートベータなので、テスターは「フィードバックを共有」から@TwitterSpacesのアカウントにダイレクトメッセージを送ることもできる。
ウォン氏は、アプリのコードを探ったところAudio SpacesはバックエンドにPeriscopeを使っているとも指摘している。
ツイッターは以前、Audio Spacesを少人数のユーザーに対して公開すると述べていた。ツイッターのスタッフプロダクトデザイナーであるMaya Gold Patterson(マヤ・ゴールド・パターソン)氏は11月に報道関係者に対してAudio Spacesを説明した際に、テストユーザーには「女性や少数集団の背景を持つ人など、プラットフォームの乱用や悪意によって不当に影響を受けやすい人」を含むと話していた。
ツイッターの広報にコメントを求めたところ「パブリックベータ開始に向けて、Spacesについて今後詳しくお知らせする予定です」との回答を得た。
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タグ:ツイッター
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(翻訳:Kaori Koyama)