Twitterにとって今は何が違うのか?

Twitter(ツイッター)が資金に物を言わせてClubhouse(クラブハウス)やSubstack(サブスタック)に立ち向かおうとする今、果たして窮地に立つこのソーシャルメディアは、市場支配の機会を巡る不名誉な過去をついに払拭できるのだろうか。

Twitterの製品に対する野望は、昨年株主の行動によってCEO Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が追放されて以降、この数カ月間間違いなく加速している。同社はストーリー製品のFleets(フリーツ)をついに公開し、従来のフィードと新たなサービスであるSpacesベータ版の両方で音声機能に対応するほか、誤情報とコンテンツ管理の問題を解決するための手順を講じた(ただしまだすべきことは多い)。

過去数週間、Twitterは特に興味深い買収をいくつか行った。1月26日にはニュースレター管理のスタートアップRevueの買収を発表した。今月始めにはポッドキャスティング・サービスのBreakerを買収。昨年12月にはソーシャル・スクリーン共有アプリのSquadを買収した。

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これはTwitterがPeriscopeの終了を発表したことに続く積極的な動きだ。ライブビデオ・アプリのPeriscope(ペリスコープ)はプロダクト責任者をファウンダーが務めていたにも関わらず、買収後長らく放置されてきた。

TikTok(ティクトック)の2020年の爆発的成功は、2017年にTwitterが閉鎖したVine(ヴァイン)の広いビジョンを再認識させるものであり、同社の歴史に大きな汚点を残した。それはTwitterがリスクを取らなかった結果自ら招いた災いの典型例でもある。そしてTwitterが時代を先取りしながら実現できなかった一方で、Substack(サブスタック)とClubhouse(クラブハウス)の成功は、Twitterが隣接するソーシャルマーケットのチャンスを確実に認識していれば、許さなかったはずの典型的な2つの事例である。

Facebookのとどまることのない孤立状態の影響を計算することはことさら難しい。かつてあらゆるソーシャルネット・スタートアップの天敵だったFacebookは、国際政治と反トラスト法の壁によって避けられないほど複雑な状況に直面しているが、その機動性が損なわれる様子はない。Clubhouseのようなスタートアップは、かつて主要な買収ターゲットと見られていたが、Facebookにとって2021年に買収することは考えるだけも複雑すぎるため、自力でフルサイズになる可能性のあるライバルはTwitterくらいだろう。

TwitterはFacebookよりずっと小さいが、それでも会社としては十分大きい。彼らの注意の大部分を奪った2020年選挙以降、会社の野心を拡大するために重要な課題は、上昇するライバルに打ち勝つために企業カルチャーを再生することだろうが、そもそも戦いを真剣に捉えることがひとつの課題なのかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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