Twitterは、Vineをそのまま消滅させるつもりはないようだ。昨年の秋にはサービスの閉鎖をアナウンスし、モバイルアプリケーションも削除される予定だった。いよいよ閉鎖予定日が迫り、エクスポートを忘れずにという旨のアナウンスも行われていた。エクスポートのためのツールの紹介もあり、Vineアプリケーションでもデータを残すための手段が提供されていた。しかし、どうやらTwitterはVineをそのまま消し去ることはしないと決めたようだ。新たにVineビデオのオンライン・アーカイブのページを構築したのだ。2013年のサービス開始から2016年までにかけて、投稿されたVineビデオをアーカイブするサイトだ。
一般的には、サービスの停止をアナウンスすれば、予告日にサービスのすべてをとめてしまうことが多い。親切心のあるサービスであれば、サービス閉鎖までの期間を用意し、そしてデータを持ち出すための方法を提示する。あるいは類似サービスへの乗り換えを案内してくれるようなサービスもある。
しかしVineについてはいずれも当てはまらない様子だ。Vineを完全に閉鎖するということはしないようなのだ。
最初は、Vineサービスを停止し、そしてアプリケーションも削除する旨がアナウンスされていた。ところがVineアプリケーションは、ユーティリティとしてのVineカメラに生まれ変わることとなり、今週になって新たなアプリケーションがリリースされることとなった。
また、TwitterはVineなき後も、Vine風のショートビデオをTwitter内で再生することとした。長さはかつてのVine同様に6.5秒以下となるように調整される。
そうしたいろいろがあってさらに、TwitterはVineサイト内にVineのアーカイブサイトを立ち上げもした。Vine同様に、さまざまなビデオをジャンル別に分類している。用意されているジャンルは「animals」、「art」、「comedy」、「edits」、「music & dance」、「sports」、およびweirdなどだ。
このアーカイブサイトに保存されるのは、ビデオコンテンツだけではない。オリジナルの投稿日やタイトル、あるいは投稿者名などに加えて、「いいね」の件数や、revienされた回数、そしてもちろん再生回数などのメタデータも保管される。
アーカイブサイトの「Community section」では、さまざまなナンバーワンが掲載されている。たとえば「most revined fail」、「most looped comedy edit」、「most liked」、「most liked animal」などの名のもとに、さまざまなジャンルに渡る人気Vineビデオを閲覧することができるのだ。
「creator sportlight」のコーナーでは、人気Vine投稿者のアーカイブを見ることもできる。
Twitterは、新たなアーカイブサイトのことを「タイムカプセル」と称している。
しかし疑問に思う人も多いことだろう。「そんなにこだわるなら、Vineを閉鎖しなきゃ良かったのに」。
VineコンテンツとTwitterコンテンツの統合をすすめることができれば、今回のような事態にはならなかったのだろう。VineをTwitter閲覧の手段として育てることができれば、Twitterとしてサービス停止を考える必要すらなかったはずなのだ。TechCrunchのJosh Constineが言うように、Twitterはショートビデオのハブとして機能することもできたはずなのだ。YouTubeやInstagram、あるいはFacebookとは違ったやり方があったはあずなのに、サービス停止を選んでしまったのは残念だ。
とにもかくにも、TwitterはVineを活用する方策を模索するのではなく、サービス停止という道を選んだ。解説したアーカイブサイトも、運用し得た可能性を示す墓標として存在することになるのかもしれない。
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(翻訳:Maeda, H)