Uber、死亡事故の被害者遺族と示談が成立

報道によると、Uber は先週同社の自動運転車の事故で死亡したElaine Herzberg(47)の遺族と早期の和解が成立した。Herzbergは暗い道路を自転車を押しながら横断していて事故にあった。

和解条件は非公開。本誌はUberに追加情報を求めたがコメントはなかった。

和解によってUberは厄介な民事訴訟を避けられる可能性が高いが、Herzbergがどのような額と内容の支援を受けることになるのかはわかっていない。

Reutersが先週報じたところによるとHerzbergはホームレスで、友人らによると近々路上生活をやめ彼女を世話していた人物と生活する予定だった。ホームレス仲間の間で彼女はMs. Elle と呼ばれていたと記事は伝えている。

Herzbergには既婚と思われる娘がいた。Reutersの別の報道によると、アリゾナ州グランデールの破産と債務交渉専門のある弁護士は、UberとHerzbergの夫と娘との間の「問題は解決している」と語った。遺族に関するそれ以外の情報は公表されていない。

本件はUberにとって大きな支出をともなう形で和解したものと思われるが、長引いていればいっそう高額になっていた可能性が高い。人身事故の裁判は、双方が考える損害価値を主張したあと、類似の事例で過去の犠牲者が受けた賠償額を参考にして決められる

Herzbergは自動運転車による死亡事故の最初の被害者であるという特殊事情と、Uberが非上場市場で720億ドルという過去に例のない高額の会社評価額を得ているという状況を踏まえると、和解金額の決定は極めて難解だっただろう。

Uberはこの事故に関してまだ様々な問題を抱えており、刑事責任を追求される可能性もある。アリゾナ州テンピ警察の自動車犯罪課は現在も事故の詳細を捜査している。

Uberはこの事故を受けカリフォルニア州の公道での自動運転技術の試験許可を再申請しないことを表明している。これは現行の許可が失効すると同社は州内の公道で自動運転車を運行できなくなることを意味している。

アリゾナ州のダグ・デュシー知事は月曜日(米国時間3/26)の夜、Uberの同州内公道での自動運転車の運行許可を取り消したが、その後見つかったメールによると、デュシー自身がテスト走行を認可した際、専門家による十分な監視を求めていなかった認可した疑いが浮上している。

上記の写真はHerzbergに衝突したものと同タイプの車両。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。